忍びの術

滴一滴 9/18

海外から日本を訪れる観光客の関心が極めて高い。「今でも実在している」と信じ、「なりたい」と思っている人も多いという。忍者のことである。神秘さや超人的アクションが魅力のようだ。

その忍者に新たな光が当たろうとしている。三重大学が大学院入試の選択科目に「忍者・忍術学」の導入を決めた。入学後は、古文書の解析など忍者に関する研究を深めてもらう。

三重県伊賀市は、伊賀流忍者発祥の地。地元の三重大などと連携し、“忍者文化”に着目した地域活性化に取り組んでいる。7月には国際忍者研究センターも発足し、本格的な学術研究とPRに動きだした。

もっとも、時代劇や漫画などで広く知られる忍者のイメージは実態とは異なるようだ。忍者研究で知られる同大の山田雄司人文学部教授は「本当の忍者を正しく知ってもらい、その知恵や精神を現代社会に生かしたい」と語る。伝わる忍術書には、情報収集における忍びの心構えが記されているという。

例えば「会話は聞き上手で」。また“忍術の三病”に「恐れ」「侮り」「考え過ぎ」を挙げ、戒めている。各地の大名に仕えた当時の忍者はさまざまな人に扮(ふん)して巧みに心理を突き、諜報(ちょうほう)活動をする存在だったようだ。

情報を制することは何事も成功の近道とされる。現代にも“忍びの術”は十分に通用しそうだ。
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