世界が認めた三姉妹

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地軸 7/12

 世界遺産は「三姉妹」と縁がある。オーストラリアの渓谷、ブルーマウンテンズ国立公園には、三つの巨岩が肩を並べてそそり立つ。魔法によって三姉妹が岩に変えられたという切ない話が先住民に伝わる。

 トルコの奇岩群カッパドキアでは、キノコの形をした「三姉妹の岩」が仲良く寄り添っている。いずれも三つが一体であるからこそ価値があり、切り離すことはできない。

 日本の「三姉妹」も世界遺産に仲間入りした。福岡県の古代遺跡「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」。中心となる宗像大社は天照大神(あまてらすおおみかみ)の子の三女神を祭る。長女は玄界灘に浮かぶ沖ノ島、次女は大島、三女は本土の宮に分散しているが、切っても切れない仲。

 ところが諮問機関が当初、島全体がご神体の沖ノ島だけに価値を認めて「妹たち」の除外を勧告したから驚いた。一木一草一石のあらゆる所に神が宿り、人格神の女神たちもいる。キリスト教など一神教の国の人たちが「やおよろずの神」をすぐに理解するのは難しかったのだろう。

 日本側は、沖ノ島で行われた大陸との交流成就を願う古代祭祀(さいし)が現在の信仰につながっている、と関係者を説得。地元も諦めかけていたが、土壇場で勧告は覆った。

 さまざまな神を尊ぶ日本人の精神は大陸の文化を受け入れ、独自に発展させた柔軟さに通じる。今回、この精神文化の価値も認められたと思いたい。むろん三姉妹の御利益もあったはず。


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