アビイ・ロード

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1969年にリリースされたビートルズのアルバム「アビイ・ロード」のジャケット写真は有名だ。ロンドンの横断歩道をメンバーの4人が一列に渡っている。これが34年たって物議を醸す。ポールがたばこを右手に挟んでいたからだ。

 歩きたばこがまねされる―。禁煙運動団体の要請で、米国の制作会社がコンピューター処理してたばこを消したポスターを発売した。「歴史を書き換えるべきではない」との批判はもっともだが、喫煙に対する意識が当時と大きく変わったことを物語る。

 長野市が県内で初めて路上喫煙を罰則付きで禁止する条例改正を検討している。重点区域を定め、違反者から行政罰の過料を徴収する。これまでは努力義務だったが、商工団体などから規制強化を求める声が出ていた。定点調査でポイ捨ての吸い殻はここ数年、増加の傾向という。

マナーの問題を罰則で縛るのはどうか、との声もある。ただ、現実は厳しい対応を迫っている。年間1万5千人。受動喫煙で肺がんなどになり死亡する人の数だ。厚労省研究班が推計した。歩きたばこの火で子どもがまぶたをやけどするなど事故も多い。

 全国で初めて罰則付きの条例を2002年に制定した東京都千代田区。調査地点に落ちている吸い殻の数は施行前の1%程度に激減した。効果は絶大だが、罰則はあくまでマナー向上を呼び起こす手段。区は、そうとらえている。将来的には罰則などいらない社会への回帰を目指すという。

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