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日報抄 7/8

 往年のアイドル歌手、南沙織(みなみさおり)さんの古いレコードを持っていたはずだ、と探したら「潮風のメロディ」が出てきた。1971年発売の「CBS・SONY」製で400円。ジャケットはヨレヨレである。

ソニーが30年ぶりにレコードの自社生産を再開するとの記事を読み、若き日の1枚に再会したくなった次第である。日本レコード協会によるとアナログディスクの生産数量は、2009年に約10万枚だったが、16年には約80万枚に伸びた。

簡単便利なCDに比べれば、レコードは手間暇がかかる。ほこりをぬぐい、プレーヤーのふたを開け、針を落とす。ゆったりした手順は、曲を聴く準備体操のようなものだろう。かすかなノイズは音に深みを与える。若い年代にも人気が広がっているらしい。

世知辛い世の中だが、県内を見渡せば、レコードの音色を再現するような、手間暇を惜しまない地域活動がある。例えば新潟市の秋葉区では、かつて盛んだった手もみ製茶の伝承に力を入れていると、本紙にあった。

地元の小学生が達人の指導を受けながら、茶葉を摘み取った後、蒸して熱々の葉を手もみするまでを毎年体験するという。出来た緑茶は、買ってきたものとは比べようもなく深い味がするに違いない。

江南区では綿の栽培から手掛ける伝統織物「亀田縞(じま)」が、三条市下田では特産の「大谷地(おおやち)和紙」が復活の道を歩む。これはほんの一例で、伝統野菜復活の取り組みも各地から聞こえてくる。廃れさせまい-。その心意気が頼もしい。

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