あなたを守る方法

中日春秋 7/7

<子供達よ/これが核攻撃から/あなたを守る方法です/ベルの音で先を争って誰よりも早く/机の下にもぐり/ひざまずいた姿勢で床に顔をつけ…>。一九五〇年代、米国の小学校では核攻撃から身を守る訓練が真剣に行われていた。体を丸め、目をぎゅっと閉じ、警報の解除をじっと待つ。

そんな訓練の意味を、デイヴィッド・クリーガーさん(75)は詩で問うた。<これが時速何百マイルの速度で/飛んでくるガラスの破片やその他の物体から/あなたを守る方法です/そしてあなたの眼球を/溶かすこともできる白い閃光(せんこう)から/あなたを守る方法です>(『戦争と平和の岐路で』コールサック社)

本当の「あなたを守る方法」とは何か。「核時代平和財団」会長として、三十年以上も核廃絶に取り組んできたクリーガーさんたちの問い掛けが今、一つの形になりつつある。

国連で百二十以上の国が交渉を続けていた「核兵器禁止条約」が、ついに採択の時を迎えつつあるのだ。しかし、日本政府は交渉に参加すらしなかった。

国際赤十字・赤新月社連盟の近衞忠●(このえただてる)会長(78)は、この条約の意義を、本紙への寄稿でこう説いていた。

「私たちには、子供たちが学校の体育館や机の下に隠れ、はかない運命を委ねなければならないような恐怖から自由な世界を選ぶことができます。いや、実際にはそれしか選択肢はないのです」

※●は火へんに軍

2017070712132154f.jpeg


デイヴィッド・クリーガー 英日対訳 新撰詩集
『戦争と平和の岐路で』
彼の詩の最大の特徴は、他国民の尊厳を心の奥底から褒め称える誠実さが詩行から溢れ出ていることだ。このアメリカ人でありながらアメリカをはるかに超えて行く普遍的な友愛に満ちた精神性が、英語の最もシンプルな文章であるにも関わらず、彼の詩を濃厚で詩的なフレーズの言葉へと転換させてしまう。(鈴木比佐雄 解説文)


目 次

岐路の詩 

I 戦争の子供たち
戦争の子供たち
潜って覆う 
イラクの子供 
ザイドの不幸 
イラクの子供達には名前があった 
クアナ通りの光景 
子供達の歌うコーラス 
若者へのメッセージ 

II 戦争はあまりにも安易だ
戦争はあまりにも安易だ
少ししかない変化 
それはあの時のこと これは今のこと
類似点:1914年と2014年 
悲劇的な歴史についての回想 
交戦の法則 
考えに考えよ 
降伏 
殺戮が終わった時
平和の約束

III 太鼓
太鼓
ゲルニカ 
大戦
母から娘へ ブーヘンヴァルト強制収容所 1944年
白馬にまたがった裕仁(昭和)天皇
ベトナム
ノーマン・モリソン
ハノイ空爆再開の決定 
実の事を言えば 我々は自分たちを爆撃しているのだ 
銃を持った若者たち 
ブルドーザー
ガザ爆撃:一人のパイロットが語った
銃殺隊
反対側
戦争の二十年
鷹とドローンについて
戦争の考古学
臆病な時代の戦争
兵士たちは倒れる 
おお 戦争よ 

IV アインシュタインの悔い
アインシュタインの悔い 
短い歴史のレッスン:1945年 
八月の朝 
ヒロシマ 
お母さん 許して 
灰のなかで 
ナガサキ 
空のこだま 
アイゼンハワーの見解 
犠牲者たちはどこへいったのか?
死神になること
被爆者の最敬礼 
あるおばあさんの物語
神は涙をもって応えた
ヒロシマの四季
マーシャル群島での核兵器実験 
ヒロシマに落ちた爆弾をなんと呼ぶべきか?
原爆が神になった日
十二の第三次世界大戦名予測
メリーゴーランド 
蝶は目をぱちぱちさせた

V 礼儀正しき共謀
礼儀正しき共謀
今日は戦争をするのにいい日ではない
戦争より悪い
パブロとともに立つ 
私は拒否する 
鳩は高く飛んだ 
目を覚ませ! 
ひたむきな人々 
偉大な真実は偉大な沈黙 

VI 希望のための五十一の理由
希望のための五十一の理由 
フクシマ 
あなたの旅に三つのお土産をもっていってください 

著者紹介 
解 説 
関連記事