腰洗い槽

70年代の小学校にはあったのに今の小学校ではなくなっているもの
小学校から消えたものは安全面から至極当然なもの、学校のIT化による進化の結果として消えていくものなど色々あると思いますが……。


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腰洗い槽はプールに入る前に腰までつかる消毒槽の事だったが、塩素濃度は、プールの最高250倍で、そのため様々な症状が続出し、厚生労働省は1992年から洗浄はシャワーで十分と腰洗い槽を否定したのだった。

実は昭和三〇年代のプールは水の入れ換えをあまりしていなかった。汗や小便で汚れた水は最初に入れた塩素だけでは消毒しきれない。そのため雑菌が増える。昭和三二年には岐阜県の大垣市では結膜炎が多くなり、さらには「プール熱(咽頭結膜熱)」と呼ばれた。

プール熱はアデノウイルスが引き起こすが、このウイルスを殺菌するため、岐阜薬科大が高濃度の塩素を入れた腰洗い槽を発明した。

文部省はこの実験結果をもとにプールの衛生設備として全国に建設を推進、昭和三〇年代後半にかけて広まっていったのだった。 

現在では腰洗い槽があってもなくてもプール熱が流行ることが経験則からわかっているし、プールの水も適度に浄化されている現状がある。そこで、アトピーなどを引き起こす原因となる腰洗い槽不要論がでてきているが、一度建設したものはなかなか撤去できないようだ。

文部科学省の通達では校長の裁量にまかすことになったが、判断をまかされた校長も困惑顔。いまや腰洗い槽が必要なほど衛生環境がひどいプールは存在しないというのに……。
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