パーカッション・メンテナンス

中日春秋 6/21

「パーカッション・メンテナンス」。メンテナンスは修理とか修繕の意味なので、打楽器の修理かなにかかと考える人もいるだろうが、不正解。かつて日本の茶の間でもよく使っていた、「ある技」のことを指す。

その昔のテレビ受像機は古くなると画面が上下に乱れるなどよく不調になった。こういうとき、お父さんかだれかがテレビのどこかをポンポンとたたく。あら不思議、正常な画像に戻ることがよくあった。「パーカッション・メンテナンス」とは、この、まじないめいた懐かしの修理法のことである。

最近の支持率の急降下がよほど強い「パーカッション・メンテナンス」になったのか。安倍首相である。通常国会閉会を受けた記者会見で学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画をめぐる政府の対応などで「国民の不信を招いた」「率直に反省しなければ」「政府として分かりやすく説明していく」と低姿勢な言葉を並べていた。

たたいて直るのならありがたい。が、あの修理法、画面が正常なのは束(つか)の間で、しばらくするとまたおかしくなったものである。

低姿勢が続くことを期待するが、なにせ、都合が悪くなると画像が乱れ、大音量でまくしたて肝心な説明になると音声が途切れる症状のあったテレビである。

ちゃんと修理しなければ、七月二日の東京都議選後あたりにまた調子が悪くなる予感がないでもない。


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