天気屋

卓上四季 6/21

冷たい飲み物や食べ物が恋しい季節になってきた。食品業界には、天気と嗜好(しこう)品の売り上げに関する法則がある。

ビールは気温が22度を超すと、急激に増える。アイスクリームは気温が高ければ高いほど売れそうだが、30度を上回るとぱたっと落ちる。さっぱりとしたシャーベットや清涼飲料水の方が好まれるからだ。気象予報士の森田正光さんがエッセー「大手町は、なぜ金曜に雨が降るのか」に書いていた。

物を供給する側からすれば、法則は分かっていても気温が変動してから出荷量を調整するのは容易ではない。事前に天候の予測がついていれば対策を講じやすい。日本気象協会が天気予報を使って、需要を予測するサービスを本格的に始めたという。

食品メーカーのミツカンが、協会の配信した体感気温などの予測に基づいて冷やし中華のつゆの生産量を調整したところ、売り上げ予想と実績がほぼ一致した。取り組みが広がれば、仕事の無駄が省けるばかりか、食品ロスが減り、省エネにも役立つはず。

事前に予報で知らされていても、対策が難しい例もある。たとえば鶏は夏に気温が上がると、えさを食べなくなり、産卵が減る。養鶏業者には悩みの種だ。エアコンを備えればいいのかもしれないが、電気代を考えるとどうなのか。

もっとも、売る方が普段悩まされるのは、移り気な人間だったりして。「お天気屋」だけは致し方ない。
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