おニュー

中日春秋 6/11

兄や姉からの「お古」「お下がり」。今聞けばどこか懐かしい気持ちになるが、それをあてがわれた当時の少年少女はやはり面白くなかったか。「ポーの一族」「トーマの心臓」などの漫画家の萩尾望都(もと)さん(68)が「お下がり」の思い出についてこんなことを書いている。

萩尾さんにはお姉さんがおり、入学式などではお下がりばかりを着させられたそうだ。当然ながら、自分の妹にも引き継がれるのだろうと思っていたが、「もう着られないね」と新しい服を買ってもらえたそうだ。自分だけが「お古」。ちょっぴり恨めしげである。

こっちは約四十年も使い回していたというから、お古もお古の話題である。米航空宇宙局(NASA)の宇宙服。一九八一年に導入以来、使われ続けた結果、老朽化と不足が心配されている。

国際宇宙ステーションの船外活動などでの雄姿を見れば、最新の科学技術によって製作されているのだろうと想像していたが、博物館に入っていても不思議ではない古い服とは驚く。新型宇宙服の開発の遅れが「お古」の原因だそうだ。

使い捨ての今の時代にあって何とももの持ちの良い話で宇宙服の耐久力に感心する一方、老朽化による事故も相次いでいると聞けば、さすがにもう限界である。

新型の開発が待たれる。その「おニュー」の生命維持装置をひがむような宇宙飛行士は一人もいないだろう。

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きたる有人火星探査時代に備え、NASAはすでに次世代の宇宙服の開発を進めています。しかし、新しい宇宙服は実用段階にはまだまだ数年の期間が必要とされます。一方で、現在使用しているNASAの宇宙服は在庫が残り少なくなっており、新型完成までもたない可能性が出てきました。

現在、NASAが使用している宇宙服は基本的に40年ほど前、宇宙開発競争の時代に設計製造されたの。その多くはまだ大きな問題なく使えているものの、もともとの耐用年数は15年とされ、もはや「寿命」という言葉を無視して使い続けている状況にあります。

さらに近年では、グローブの破れにはじまりスーツ内で何かが燃えているような感覚があったとする報告、果てはEVAの最中にヘルメット内に水が溢れ出てきて溺れそうになった事例も発生。一方で船外活動(EVA)に不可欠な生命維持装置は全18台のうち7つが故障しており、残すところは11セットしかないなど、細心の注意を払って管理しているはずの宇宙服にも「ほころび」が目立ちつつあります。

NASAの監察本部(OIG)に提出された報告書によると、現状でNASAが所有する宇宙服ユニットはISSが退役をむかえる2024年まで持ちこたえられない可能性が指摘されています。

なぜここまで宇宙服が少ないのかといえば、原因は予算削減のあおりかもしれません。報告書は、問題がこれ以上深刻化しないためにもNASAの有人探査計画に次世代宇宙服の「設計、生産、テストのための正式な計画」を含め、早期の開発が必要だとしました。また、いまある お古のおさがり を繕いながらやりくりするのにかかるコストと新型宇宙服の開発実用化のコストを比較すべきだとも提案しています。

NASAにとっては予算削減が必至命題だっただろうことは理解できるものの、小さな穴ひとつであの世行きの現場で実際に作業をしなければならない飛行士を思えば、さぞかしコスト比較に「自分たちの命の値段も上乗せしといてくれ」という気持ちではないかと同情せざるをえません。

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米ボーイング社が青色を基調とした新型の宇宙服を公表

(CNN) 米ボーイング社は25日、最新デザインに基づいたとする青色を基調とした新型の宇宙服を公表した。従来タイプと比べて、大幅な軽量化を図り、宇宙飛行士の体との密着感を強め、よりシンプルなデザインを追求したと強調した。
重さは20ポンド(約9キロ)で、現行のものより10ポンド軽い。タッチスクリーンに対応可能な手袋、遮光装置やヘルメットは宇宙服と一体化し、ひじやひざ部分は宇宙飛行士の活動がよりしやすくなるよう改善した。
通気口は水蒸気が服内部から漏れやすいようにしたが、内部の空気補給に問題はないと説明。この結果、服の内部の低気温状態は一段と保たれ、安全性に問題も生じないとしている。
今回の新型宇宙服は同社が開発する有人宇宙船「スターライナー」に合わせて開発された。同宇宙船は国際宇宙ステーション「ISS」に飛行士を運ぶ計画で、最初の試験飛行は2018年に予定している。
米航空宇宙局(NASA)が開発した宇宙服はこれまで数々の変遷を遂げてきており、過去には大きさがかさばるようなオレンジ色のものもあった。
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