時の記念日

編集日記 6/10

 随筆家で物理学者の寺田寅彦は、原稿を依頼されると、たとえ締め切りまで期間があっても、すぐさま執筆に取り掛かったという。英文学者の外山滋比古さんが著書で紹介している。

 外山さんは「寅彦は仕事のしかたをよく心得ていた」と述べる。少しでも早く手を付けたほうが気が楽だし、思考力もよく働く。仕事の出来も、締め切りに追われて仕上げたものとは比べものにならないという。

 何事も余裕を持つことが大切ということだろうが、セイコーの調査によると、日本人の約7割が「時間に追われている」と感じているそうだ。一方で、「複数の事を同時に行う」「朝の時間を大切する」など、時間を効率的に使うための工夫を積極的にしている人も多かった。

 外山さんは、今日できる仕事を明日に延ばさないように心掛けることで「多忙の人は忙中おのずから閑あり、と達観することができる」と説く。「それができれば苦労はしないよ」との声も聞こえてきそうではあるが。

 仕事と真剣に向き合う時間も大事だが家族や友人と共に過ごしたり、趣味に熱中する時間も人生には欠かせない。今日は「時の記念日」。充実した日々を過ごすため、時間との上手な付き合い方を考えたい。

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明日という日があるじゃないか
遠藤 周作 著
気楽にいこうや! 明日できることを、今日するな。今こそ生活のために生きるのをやめて、人生のために生きよう! 老いてますます絶好調、仕事も遊びも人生も存分に楽しむ達人の知恵、34篇。

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明日できる事を今日やらない仕事術

有名な仕事術の1つに「マニャーナの法則」というものがあります。
これは、明日できることを今日にやってはいけない、という仕事術です。

これは一見すると物事の先送りのように思えてしまうかもしれませんが、本質はそういうものではなく、むしろかなり正攻法のタスク管理方法です。

ではどのような方法なのかというと、一言でまとめると「仕事は、その発生と同じ日に手がけるのをできるかぎり避ける」というものになります。

この方法の根底には「明日まで待てないほど緊急の仕事はない」という考えがあります。

もちろん例外はあるものですが、ほとんどの仕事は今すぐやらないとダメというものではありません。
そういう気分にさせられてしまうことは多々ありますが、実際にやらないから何か取り返しのつかない事態になることはありません。

また、この方法を取り入れることで毎日決めたことを確実に終わらせていくことができます。

急なメールや電話などがかかってきて、急かされて伝えられた内容をその時にすぐやっていると、本来その日にやろうと思っていたタスクがどんどん圧迫されていき、予定が狂い、結局やるつもりだった事が出来なかった…なんて事につながっていきます。

しかし、そのような要件も明日以降に取り組むタスクとして一旦置いておく事で、毎日決めたことを確実に実行していくことができます。急に入ってきた要件、急に発生したタスクなどは次の日以降の予定を立てる時に別途取り組む時間を設けてそこで処理をするようにします。

こうする事で外部に影響されることなく確実に自分の計画を決めた通りのスピードで進めていくことができるようになります。

7つの習慣の時間マトリクスの話は有名ですが、マニャーナの法則はそれにおける「重要だが緊急ではない事(本当に重要なこと)」を日々確実に実行していく上で非常に役にたつメソッドと言えます。

外部からの連絡や突発的な出来事にその都度反応してしまうと、7つの習慣の時間マトリクスにおける「緊急だが重要ではない事(本来増やすべきでないタスク)」をしなければいけない頻度が多くなっていってしまいます。

ですので、見かけの緊急度に惑わされることなく、その日に発生した新規タスクは一旦置いといて明日以降に予定に組み込んで実行していくというアプローチを取っていくようにしましょう。

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明日できることは今日するな

 「明日できることは今日するな」という言葉を聞いたことのある人は少ないと思う。僕は若いときから、その場の雰囲気を軽くしたい時などにこの言葉をよく使う。生来が怠け者なので自分自身の生き方を表現するためにもピッタリの言葉だと思っている。
世間で広く言われているのは「今日できることを明日に延ばすな」という類の言葉である。勤勉で真面目な性質の日本人にはこちらの言葉の方がふさわしいし、立派な箴言である。この箴言を僕が自分勝手に逆転させて都合良く使ってきたということである。
こんな生き方を肯定しているのは僕ぐらいのものだろうと思っていた。ところが過日ある雑誌の中で、かつて遠藤周作がトルコの格言だとして「明日できることは今日するな」という言葉を披露していたという記事を見つけて大いに驚いた。そのうえ記事中でこのことを紹介している論者はこの言葉を高く評価しており、この言葉に出会って良かったとまで述べていた。
考えてみると、チャランポランに見えるこの言葉も意外に奥が深いと思えてきた。問題にぶつかり行き詰まった時には「明日またできる」と考えることで袋小路に落ち込まなくて済むというものだ。
更に言えば「明日できることは今日するな」ということは、明日で良いことは今日しないけれども今日やるべきことはしっかりやるということに他ならない。そのためには何が明日で良くて何が今日やらなければならないかということを正確に判断しなければならない。そして今日やるべきことを毎日確実にこなして行かなくてはならないのだ。例えば一つのプロジェクトを展開するとしたら工程表をしっかり押さえたうえで、時間の経過と進捗度の連動を確実にするということだ。
もちろん今日やることに加えて明日の分までできたに超したことはないように見えるが、それはやがて無理を招き破綻を生むのかも知れず、そもそも最初の工程表が甘かったのかも知れない。肝心なことは目指すべき目標を明確にして、そのための工程表を誤りなく設定し着実に実行することなのだ。
そう考えてくると「明日できることは今日するな」とは決して問題を先送りしようとする姿勢ではなく、やるべきことを時期を失することなく断固としてやるという決意の逆説的な表現なのだと思えてきた。
今、我々は将来の持続的な発展のために困難だが必ず乗り越えなければならない多くの問題に当面している。本格的な少子高齢社会に入り将来を担う若い世代が希望を抱けるようなシステムを創って行かなくてはならない。スリムで効率的な行政を実現しなくてはならないのだ。そのための改革が始まっている。明日でいい改革を今日やる必要はないけれど、直ぐに取り組むべき改革は覚悟を持って今日から着実に始めようではないか。

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