風向き暗号

中日春秋 5/29

「風向き暗号」とは天気予報を利用した暗号方法で、太平洋戦争前に使用されたそうだ。短波ラジオで「東の風、雨」が二回繰り返されれば、それは日米関係の危機であり、同様に「北の風、くもり」であれば、日ソ関係の危機だったという

外交の問題ではないが、「どの方向も全部、風、雨」。二回どころか何度でも繰り返したほうがよいかもしれぬ。この「暗号」は今週以降の安倍政権の先行き予報である。

秘密の「暗号」でも何でもない。首相の友人が理事長である学校法人加計学園の獣医学部の新設計画をめぐる問題で、安倍一強の風向きは誰が見ても乱れつつあるだろう。

先週の小欄でこの問題を実在しない幽霊と主張するのなら、首相官邸は証拠を示せと書いたが、幽霊どころか、その怪物は実在する可能性がさらに高くなっている。文部科学省の前事務次官がその怪物を見た、触ったと証言している。

首相官邸側はその証言者を悪所通いの信用ならぬ人物と宣伝することに躍起のようだが、サスペンス作家も顔を赤らめる、安っぽいやり方こそが怪物の実在を認めている証拠としか世間には映るまい。前次官の証人喚問を拒む自民党の姿勢もまたしかり。そして風は強まる。

<風が吹く時 ゆりかご揺れる 枝が折れたら ゆりかご落ちる>(「マザー・グース」)。風を吹かせているのは、当の首相官邸である。


…………………………

(4) Hush-a-bye, Baby

Hush-a-bye, baby, on the tree top,
When the wind blows the cradle will rock;
When the bough breaks the cradle will fall,
Down will come baby, cradle, and all.

おやすみ 赤ちゃん 木の上で
風が吹いたら 揺りかご揺れる
枝が折れたら 揺りかご落ちる
揺りかごごとに 赤ちゃん落ちる

<解説>
英米で歌われる子守唄 の代表的なものです。native American が赤ちゃんを木の枝につるした揺りかごであやしているのを見て作ったという説もあります。イギリスの絵本画家Raymond Briggsが、核戦争をテーマにした『風が吹くとき』( When the Wind Blows ) という絵本のタイトルは、この唄から取 ったものです。




関連記事