誤審

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正平調 5/25

スポーツには間々、無情の判定がある。誤審もある。文句の一つも言いたくなるだろうが、そこをぐっと抑えた敗者の一言は、勝ち負けの結果より記憶に残るものだ。今日はそんな話を。

48年前。大鵬の連勝が45で止まった。相手の足が先に出た「世紀の誤審」といわれたが、横綱は言った。「あんな相撲を取った俺が悪い。圧倒して勝つのが横綱だ」。

35年前。ラグビー大学選手権で同志社が敗れた。選手を退場させた疑問の笛について、率いた岡仁詩(ひとし)さんは「満員の観衆の中で勇気あるジャッジを下されたレフェリーに敬意を表します」。後藤正治さんの本から。

昨年。社会人と学生代表とのアメリカンフットボールの大一番で誤審があった。敗者立命の米倉輝(あきら)監督は「ゲームは終わっている。運営や審判の方々に支えられて試合ができたことに感謝の気持ちしかない」。

5日前。世界ボクシング協会(WBA)のミドル級王座決定戦で村田諒太(りょうた)選手が敗れた。WBA会長が「村田の勝ち」と思うほど不可解な判定だったが、当の村田選手は翌日、自身のフェイスブックに書き込む。「大切なことは、2人がベストを尽くしたこと」。これは僚紙デイリースポーツから。

好漢の弁は涼風に似る。胸の中を清めるように吹き抜けていく。

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