家族はつらいよ

鳴潮 5/23

 面白くて難しい、それが家族関係だろう。映画監督の山田洋次さんは修業時代、松竹の先輩からこう言われた。「やくざ映画でも純愛映画でも、必ず家族関係を入れておけよ。それが錨(いかり)のように脚本を安定させる」

 山田監督が「家族はつらいよ2」を完成させた。続編を―。「男はつらいよ」もそうだが、新作にもそんな声が寄せられたという

 さて内容だが、昨年公開の「家族はつらいよ」で何とか熟年離婚の危機を回避した平田家。あれから約1年。新作では、運転免許の返上や孤独死といった高齢者を取り巻く社会問題をテーマに、平田家の8人が再び奮闘する姿を描くと本紙17日付にある

 作品に込めたユーモアと悲哀の根底には、山田監督のこんな思いがある。<僕自身が高齢者だということもあるんだけれども、安心して年を取ることができるかというのは、この国の大きな課題じゃないでしょうか>

 <僕たちは本当に幸せなのか。今ほど検証しなければいけない時代はないんじゃないか>。2年前、徳島市で開かれた戦後70年特別シンポジウムで山田監督はそう語ったが、課題も検証も置き去りになったままである

 「家族は―」は県内でも27日から上映される。煩わしいけど、どこかいとおしい。笑いあり、涙ありの家族のドタバタ劇。そこから見えてくるものがきっとある。

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