奥の細道

談話室 5/16

映画のロケ地巡り、大河ドラマ観光、アニメの聖地巡礼。近頃よく話題になる。そうした作品の中身、つまりコンテンツに関する観光を「コンテンツツーリズム」というそうだ。地域振興に生かそうとの動きも目立つ。

そうした旅は昔からあった。コンテンツツーリズム学会の増淵敏之会長の説で、酒井亨金沢学院大准教授の本に教わった。映画の「ローマの休日」は欧州のロケ地観光を促し、日本映画でも小津安二郎監督の「晩春」は鎌倉へ、壺井栄作の「二十四の瞳」は小豆(しょうど)島(しま)へ誘(いざな)った。

日本には歌に詠まれた土地(歌枕)を訪れる習慣があり、江戸時代には「東海道中膝栗毛(ひざくりげ)」に出てくるお伊勢参りなど巡礼の旅が登場した-と増淵さん。昔から作品と観光は縁がある。俳人松尾芭蕉の「奥の細道」を自分で辿(たど)る旅も、いわばコンテンツツーリズムだという。

芭蕉の「奥の細道」の旅は、今も多くの人の心を引き付け旅情を誘う。当時東北や北陸を巡る約2500キロ、5カ月に及ぶ大旅行。芭蕉はそのうち約40日間県内に滞在した。「行く春や鳥啼(な)き魚の目は泪(なみだ)」。江戸深川を発(た)ったのは今の暦で5月16日。こんな季節の中だった。

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