旅の日

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越山若水 5/16

大型連休を堪能した人ほど、いま恋しいかもしれない。身も心も解放してくれる旅が、である。その思いは俳聖ともなると切実。そぞろ神が心を狂わせたのだった。

「行春や鳥啼魚の目は泪」。328年前の3月27日、松尾芭蕉は「おくの細道」へ旅立った。新暦で5月16日になる。それにちなみ、きょうは「旅の日」だ。

人がくれた餞別(せんべつ)の品が重荷になったり、日暮れの野道で雨に降られたり。俳聖の苦労は現代人には想像もつかないが、道中にこそ旅の醍醐味(だいごみ)があるのはよく分かる。

とはいえ苦より快適な道中を望む人が多いのだろう。超豪華寝台列車が大人気らしい。今月から運行を始めたJR東日本の「トランスイート四季島」は来春分まで完売だという。

火付け役は2013年にデビューしたJR九州の「ななつ星」。来月にはJR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風」も登場するが、どちらもそう簡単には予約を取れない。

驚くのは何といっても高額な料金である。最安でも1人30万円前後で、ななつ星と四季島の最高が95万円。瑞風はもっと高く、125万円もする。

おくの細道は「月日は百代の過客にして」と書き出され高い格調に旅情を誘われる。でも現実は、お手頃な値段の寝台列車が次々に姿を消し、JRの旅が「百万台の価格にして」縁遠くなりつつある。行く春や民草の目は泪、である。


『トランスイート四季島』
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『トワイライトエクスプレス瑞風』

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