五月雨

越山若水 5/13

「五月雨」と書いて「さみだれ」また「さつきあめ」と読む。本来は陰暦5月ごろに降る長雨、つまり梅雨のこと。やや時期尚早であり、今月下旬以降の話になる。

一方で「さみだれ」の「さ」は早乙女や早苗など田植えに関する古代語、「みだれ」は「水垂れ」を意味するという説もある。であれば、今の時節にふさわしい。

「露座(ろざ)仏の田植の泥を流す雨」。山口青邨は野にたたずむ仏様を俳句にした。「降り出して田植いよ??賑(にぎや)かに」。長山秋生は雨中でも作業が続く光景を詠んだ。

県内の水田地帯に目をやると、既に早生(わせ)の田植えが済んで緑の早苗が順調に伸びている。これからは福井生まれで日本を代表するブランド米・コシヒカリの田植えが本格化し、農家は繁忙期を迎える。

さらに今年はもう一つトピックスがある。6年かけて開発した「いちほまれ」の田植えがいよいよ始まる。認定された農家が120ヘクタールで栽培し、計600トンの収穫を見込む。

その名の通り、目指すは「日本一おいしい、誉れ高きお米」。新潟県魚沼産のコシヒカリ、北海道産のゆめぴりかなど人気米をしのぐ最高品質である。

目標達成にはやはり天気の力が大きく影響する。日本には雨の名前が多いけれど、程よい雨を期待する。早苗に優しい「田植え雨」、田畑を潤す「慈雨」や日照りの後の「喜雨」。秋の実りが早くも待ち遠しい。

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