日韓

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『TSUNAMI-ツナミ-』などのユン・ジェギュン監督がメガホンを取り、『傷だらけのふたり』などのファン・ジョンミンを主演に迎えた感動の家族史。朝鮮戦争や軍事政権、ベトナム戦争など動乱の時代を家族のためにささげた一人の男の足跡を活写する。主人公の妻を『ハーモニー 心をつなぐ歌』などのキム・ユンジンが演じ、『パパロッティ』などのオ・ダルスらベテランが脇を固める。時代の波に翻弄(ほんろう)されながらも、たくましく生きる人々の姿に泣き笑いする。


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中日春秋 5/11

韓国映画「国際市場で逢(あ)いましょう」(二〇一四年、ユン・ジェギュン監督)は本国では国民的映画だが、日本でも人気が高い。

理由は日本人の過去ともどこかで重なるせいかもしれぬ。朝鮮戦争中の一九五〇年。ある家族が戦火を逃れ、北朝鮮東部の興南(フンナム)から韓国へ米船で脱出を図るが、父と妹の二人の行方が分からなくなる。描かれるのはその後の家族である。

無事逃れたものの母と子どもらの貧しい生活。幼い子が米兵にギブミーとチョコレートをせがむ場面がある。離れ離れになった妹の消息を知ろうとテレビで訴える場面がある。悲劇を乗り越え、生き抜く家族の姿。時代は違えども戦後日本も体験した苦い過去であり、涙である。

船の名はメロディス・ビクトリー号。映画と同じその船で、ある夫婦も韓国・巨済(コジェ)島に逃れた。その二年後に男の子が生まれた。韓国新大統領の文在寅(ムンジェイン)氏(64)である。

やはり、貧しい暮らしだったと聞く。トウモロコシのかゆ一杯で一日を過ごしたことや、月謝が払えず、教室から出された日もあったという。苦労人と一言では、片付けたくないが、風雪を知る手が国の舵(かじ)をどう取るのか期待する。

慰安婦問題をめぐる日韓合意の見直しを主張している。関係悪化の懸念もあるが、両国で必ずや通じ合えるところがあると信じるしかあるまい。同じ涙を流すことができるはずの両国である。

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