教員 争奪戦

2017050604334309e.jpeg


 大量定年時代を迎え、教員採用試験の対象年齢を引き上げる自治体が相次いでいる。九州でも福岡、佐賀、熊本3県や北九州市の教育委員会などがこれまで39、40歳以下だった新卒・既卒の上限を49~59歳以下に緩和。若手の指導役でもあるベテラン勢がごっそり抜ければ学校運営にも支障が出かねず、他県で採用された現役教員や育児による離職者の呼び戻しにも期待を寄せる。

 「これからは全国で、人材の奪い合いが始まる」。福岡県教委の担当者は危機感を隠さない。福岡は2月中旬、受験の準備を早く整えてもらおうと、2017年度に実施する試験の採用条件を例年より3カ月も早く発表。対象年齢を40歳以下から59歳以下とした。

 福岡、北九州両政令市を除く県教委の小中高の正規教職員は約1万6千人(16年度)。うち50代以上が48・6%に上り、中学は50・9%を占める。団塊ジュニア世代のために大量に雇用された教員たちが定年を迎え、小中高それぞれの定年退職者のピークは20~24年度の見込みだ。

 授業のノウハウなど経験のあるベテランも確保してバランスの取れた教員配置を実現するため、ほかの教委で採用された現職教員枠の対象年齢も50歳から59歳に引き上げ。「他県などに流れた人材を呼び戻す」(教職員課)のが狙いだ。

 受験者自体が減っていることも背景にある。

 大分県も本年度に行う採用試験から、対象を10歳引き上げて50歳以下に見直す。16年度の受験倍率は4・2倍で、1989年度以降、最高だった18・5倍(00年度)と比べて4分の1以下となり、受験者も約4割減った。当時より採用枠が増えたため何度も挑戦する既卒者の合格が増え、相対的に受験者数が少なくなったという。「育児による離職者や、かつて合格を諦めた人の再チャレンジ」(教育人事課)を願う。

 16年度から39歳以下の年齢制限を49歳以下に改めた熊本県は、志願者が前年度比112人増の1931人となり「一定の効果があった」(学校人事課)としている。

関連記事