貧困家庭

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三山春秋 5/5

 食糧難の終戦前後に育った父親から聞いた印象深い話がある。当時、学校に弁当を持って来ることができない子どもたちはお昼時になると校庭で遊び、その時間を過ごしていたという 。

 貧しさが当たり前だった時代だが、空腹を我慢しながら教室を出て行った子どもたちの心中を考えるとやりきれない。毎日の給食を当たり前のように楽しみにしていた環境との落差に、幼いながら強い衝撃を受けたことを覚えている 。

 県が先日公表した「子どもの生活実態調査」でも「進学先の入学金数万円を入金できず除籍となり、勉学への意欲が低下」「修学旅行に行けず、あきらめてしまう経験が重なることで人生に消極的になってしまう」などの例が挙げられた 。

 時代は変わっても経済的な問題に悩む子どもたちの姿が浮かび上がる。経済成長と技術革新で豊かさと便利な日常を手にしたが、厳しい環境にある家庭はまだまだある 。

 調査には、生活苦が表面化する直前まで分からないため、学校も把握していない貧困家庭を「見つけ出す」対策が必要との意見も寄せられている 。

 きょう5日は「こどもの日」。みんなでもう一度周りを見渡し、困っている子どもに寄り添う気持ちを大切にしたい。明日の群馬を支える児童生徒が伸び伸びと育ち、幸福な子ども時代だったと振り返ることができるように。
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