ナンジャモンジャ

20170502154207cbc.jpeg

20170502154208992.jpeg


小社会 5/2

 きのうの高知新聞に、高知市内の民家でナンジャモンジャの花が見頃を迎えている、との記事が出ていた。正式名称はヒトツバタゴといい、降り積もった雪のような白い花が目を楽しませる。

 昔、その土地には珍しく、正体が不明な樹木をナンジャモンジャの木と呼んだ。アンニャモンニャとも呼ばれ、20種ほどがあったとされる。美しいヒトツバタゴが代表格になったようだが、植物の名前に厳しい牧野富太郎博士が黙っているはずがない。

 「ナンジャモンジャとはどんなもんじゃ、それはこんなもんじゃと持ち出されるものが幾つもある」(牧野植物随筆)。ヒトツバタゴなど6種類の樹木は偽物と断じ、本物はクスノキ、それも千葉県の神崎(こうざき)神社の大クスが本家本元としている。

 博士の真贋(しんがん)判定にもかかわらず、各地にナンジャモンジャの名前は残っているようだ。神崎神社の大クスは水戸光圀(みつくに)が「この木は何というもんじゃろうか」と自問自答したことが由来と伝えられるように、伝承などの根強さが背景にあるのだろう。

 植物の名称ならさして問題はないが、「どんなもんじゃ」「こんなもんじゃ」といった曖昧なやりとりでは済まされない事柄もある。きのう始まった海上自衛隊が米軍艦艇を守る「武器等防護」もその一つ。「なぜ、いま」の疑問が拭えない。

 厳密な吟味がないままに、実績だけが積み重ねられていく。後悔先に立たず、となっては困る。

20170502154607aac.jpeg
関連記事