ギフト・ヌゴペイ

201705010529530fb.jpeg

20170501054301975.jpeg


中日春秋 5/1

一本の安打は一本の安打にすぎない。されど、その一本にはどれほどの思いや願いが込められていたことか。

カブスのベテラン左腕が投げ込んだカットボールをあざやかにセンター前へと弾(はじ)き返した。ピッツバーグ・パイレーツのギフト・ヌゴペイ内野手(27)。南アフリカ出身の選手として先週、初めて大リーグの試合に出場し、初安打を記録した。アフリカ大陸による初安打である。

「十歳のときから、この日が来るのを夢見ていた」。こらえきれずに涙ぐんだが、無理もない、ここまでの困難な道程である。

少年時代は野球場で暮らしていた。それほどまでに猛練習をしたという比喩ではない。苦しい生活。母親は地元の野球チームの料理人の仕事を見つけ、一家で野球場内の小さな部屋で生活していたそうである。南アフリカで野球の人気はさほどでもないが、少年が野球と出会った事情もここにある。

欧州駐在のスカウトに見いだされ、米球界入りしたが、なかなか芽が出ず、大リーグ昇格までは約十年かかった。その長い日々が、あの一本の安打の裏にある。

初安打に地元ヨハネスブルクは大騒ぎという。一九九四年、アパルトヘイト廃止後、初の総選挙が行われたことを祝う、「自由の日」の時期とも重なった。あの野球場のお母さんは残念ながら、その歴史的な一本の安打を見ていない。二〇一三年に亡くなっている。

…………………………

【MLB】史上初のアフリカ出身メジャーリーガー誕生「祖国のために叶えた」
ISM 4/27(木) 15:43配信

【MLB】史上初のアフリカ出身メジャーリーガー誕生「祖国のために叶えた」
アフリカ人初のメジャーリーガーとなったG.ンゴエペ。(Getty Images)
 ピッツバーグ・パイレーツは現地26日、地元でシカゴ・カブスと対戦し、6対5で勝利。ギフト・ンゴエペ内野手がアフリカ出身の選手として初めてメジャーデビューを飾った。

 南アフリカを母国に持つンゴエペは、2008年にパイレーツと契約。4回の守備からセカンドとして念願のメジャーのフィールドに立つと、その裏の初打席ではセンター前ヒットを記録した。この日は2打数1安打、1四球、1三振の成績だった。

 27歳の同選手は、「これは自分だけでなく、祖国のためにも叶えたこと。故郷の大陸はとても特別なんだ」とコメント。「アフリカ大陸には16億2,000万人もの人がいる。その16億2,000万人の中から最初の1人となれたのは素晴らしいことだ」と歴史に名を刻んだことを喜んでいた。

 また、ダグアウトから出て二塁の守備に就く際には、感極まって涙をこらえるシーンも。「泣いてはいけないと自分に言い聞かせていた。だって、自分はメジャーリーグにいて、メジャーリーガーなのだから」と笑顔で述べると、「(捕手のフランシスコ・)セルベリがハグをしてくれたら、自分の鼓動を胸からしっかりと感じることができたよ」と振り返っていた。

20170501052955d9a.jpeg


ジャッキー・ロビンソンのメジャーデビューからちょうど70年。
ついにアフリカ大陸初のメジャーリーガーが誕生することになりそうです。
ピッツバーグ・パイレーツのAAAでプレーしている南アフリカ出身の内野手、ギフト・ンゴペがメジャーに昇格するというニュースが入ってきました。
2009年のWBC本大会でも印象に残る活躍をしていただけに、知っている人は8年前から知っているような存在なのですが、ようやくメジャーに上がることに。
スピードと華麗な内野守備が持ち味の一方、小柄で打撃の非力さが昇格を阻んでいたのですが、少しずつですが成績は向上を見せていました。2016年のWBC予選では決勝のオーストラリア戦ではトラビス・ブラックリーからホームランを放ったのが印象深い。今年はスプリングトレーニングでも好調でしたし。
同じパイレーツから一昨日はリトアニア人のネブラウスカスがメジャーデビューを果たしましたが、ンゴペの場合は国どころか大陸を背負った存在なだけによりその意義は大きいと思われる。
とくにアフリカでは実力が飛びぬけている南アフリカ代表は裕福な層である白人選手が中心となっていて、そういう意味でもブラックアフリカンであるンゴペの昇格は南アフリカの野球にとっても、アフリカの野球界にとっても大きい。
パイレーツの傘下にはンゴペの弟もいますが、既に南アフリカ出身のマイナーリーガーはたくさんいます。
ウガンダのようにそろそろマイナーリーガーが誕生してもいいのでは?という実力をもった国も台頭してきていますし、四国アイランドリーグの高知ではブルキナファソ出身のサンホ・ラシィナが戦力としてしっかり貢献しています。
ンゴペがジャッキーロビンソンのようにいつの日かパイオニアとして讃えられるような、そんなアフリカ野球の未来に繋がっていって欲しいですね。
関連記事