昭和

天地人 4/28

 昭和のイメージなのだろう。鴨下信一さんが『昭和のことば』(文春新書)のひとつに、リンゴを選んでいる。<終戦といえば、いまだって「リンゴの歌」だ>。『リンゴ追分』『リンゴ村から』と歌謡曲の記憶をつづる。そして自身が演出した『ふぞろいの林檎たち』にいたる。

 あすは「昭和の日」と暦にある。法律で<激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす>「国民の祝日」と定められている。

 昭和天皇の逝去にともない、それまでの天皇誕生日(4月29日)が「みどりの日」となった。2005年の祝日法改正により、4月29日を「昭和の日」に、5月4日を「みどりの日」に変えた。昭和はもはや、年代表でくくられる、歴史のなかの、ひとつの「時代」になったのである。

 グルメ雑誌『おとなの週末』(講談社ビーシー)が<昭和の味>を特集したことがある。<心ときめく昭和のご馳走(ちそう)>はハンバーグ、オムライス、ナポリタンだったという。近ごろ、さまざまな昭和特集を見聞きするようになった。

 『北帰行』『北国の春』『北の宿から』…。鴨下さんは昭和歌謡の<北ブーム>についてもふれている。<昭和の終りで[北]も一つの役割を終った>との指摘である。リンゴも「北」もまだまだ元気ですよ、と主張しつつ、半島の「北」が元気なのは困ったものとも思っている。
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