ミサイル落下

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時鐘 4/25

 ミサイル落下(らっか)に備(そな)える行動(こうどう)なるものを初(はじ)めて知(し)った。ありがたい、と思(おも)うよりも不(ふ)安(あん)の方(ほう)が膨(ふく)らむ。

急(いそ)ぎ近(ちか)くの建物(たてもの)に避難(ひなん)せよ。室内(しつない)ならば窓(まど)から離(はな)れよ。行政(ぎょうせい)の指示(しじ)に従(したが)い、落(お)ち着(つ)いて行動(こうどう)せよ。相手(あいて)は雷(かみなり)や豪雨(ごうう)ではない。お手上(てあ)げです、とも聞(き)こえてきて、とても冷静(れいせい)さを保(たも)つ自信(じしん)はない。

あの戦(せん)争(そう)の時代(じだい)、空襲(くうしゅう)に備(そな)えた住民防火訓練(じゅうみんぼうかくんれん)を批(ひ)判(はん)した言論人(げんろんじん)のことを教(おそ)わった。木(き)と紙(かみ)でできた街(まち)が空爆(くうばく)されたら、防(ふせ)ぎようのない惨事(さんじ)が起(お)きるに決(き)まっている。火(ひ)の備(そな)え以前(いぜん)に、敵機(てっき)の襲来(しゅうらい)を許(ゆる)さぬのが先決(せんけつ)である。

その通(とお)りだが、突然(とつぜん)のように、北(きた)の空(そら)からミサイルが飛(と)ぶ事態(じたい)がやってきてしまった。いつ起(お)きても不思議(ふしぎ)ではない。地震学者(じしんがくしゃ)が得意(とくい)のせりふを、今度(こんど)はテレビでおなじみの識者(しきしゃ)が口(くち)にする。かつて、「戦争(せんそう)を知(し)らない子(こ)供(ども)たち」という歌(うた)がはやった。子供が大人(おとな)になり、そのままで終(お)わりたいという願(ねが)いは、「Xデー」で砕(くだ)かれるのか。

悪(わる)い夢(ゆめ)は早(はや)くさめよ、と布団(ふとん)をかぶって震(ふる)えて祈(いの)る。そんなミサイル対処(たいしょ)の心得(こころえ)を聞(き)かされても、「ふざけるな」と言(い)い返(かえ)す知(ち)恵(え)も勇気(ゆうき)も、わが身(み)にはない。

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