イノシシとタケノコ

水鉄砲 4/22

「ことしはタケノコが取れないかもしれない」と近所の人が心配している。イノシシの数が増え、地面に顔を出す前のタケノコを食べてしまうのだという。

4月上旬、自宅の裏山を5分ほど登った所にある竹林を下見して驚いた。イノシシがミミズを取ったのだろうか、地面のあちらこちらがほじくり返され、畑を耕したようになっていた。しかし、天候の関係で植物の生育が遅れているため、タケノコが食い荒らされた形跡はまだなかった。

初収穫は中旬になってから。ようやく5本だけ探し当てた。例年に比べると、ずいぶん少ない。それに対して同僚は「うちのタケノコは豊作です」という。先日も出勤前に10本以上掘ったそうだ。

彼の自宅周辺にもイノシシは出没するが「タケノコは、出始めた頃に少し食べられるだけのようです」といい、収穫に影響はないそうだ。その説が正しいのなら、人間とイノシシが自然の恵みを分け合っているということだろう。

初めて収穫したタケノコはあくが少なく、煮物やまぜずしにしておいしく食べた。料理が得意な同僚はパスタにも使うそうで、余分に取ったものはオリーブオイルに漬けて長期間、保存するという。

おとといはイノシシに取られる前にと、同僚を見習って出勤前に竹林に行った。「早起きは三文の徳」の格言通り、食べ頃のものが3本取れた。イノシシよりも人間の方がよほど欲が深いのかもしれない。
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