言葉の中の色彩

日報抄 4/20

言葉の中の色彩は、場合によって好印象になったり、逆になったりするから面白い。例えば青。「雲ひとつない青空」はうれしいが、「顔が真っ青」では心配したくなる。

「身の潔白」と「白紙の答案」。同じ白でも趣がかなり異なる。「黒字決算」は歓迎するが「腹黒い」のは困りもの。「赤ちゃん」と「赤っ恥」も大違い。ふと気づく。緑には負の表現が簡単には浮かんでこないのだ。

新緑の季節が近い。5月14日までみどりの月間である。緑の募金。みどりの窓口。グリーン車。グリーン企業といえば、環境に配慮した経営を進める会社のことである。残念ながら、この緑色がすっかりくすんで見える事態となった。

胎内市の肥料生産業者が、有機質入り肥料の原料には認められていない下水汚泥を使い、販売していたことが分かった。商品の袋には「バイオグリーン」や「グリーングロース」などの文字が、緑色の樹木や農産物の図柄とともに印刷されている。

県によると、少なくとも2年前から汚泥が混入し、県内を中心に年間約1500トンが出荷された可能性があるという。一部はJA製の肥料にも配合されていた。「グリーン」や「有機」という言葉が持つ「安全・安心」のプラスイメージが崩れかねない。

不安と憤り。田植えの準備に忙しい農家も、県産米を食べる消費者も、思いは同じだ。一刻も早く原因を明らかにし、再発の防止に努めてほしい。風が吹き渡る緑一色の田んぼは、農業への信頼があってこそ美しく見える。
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