地球防衛会議

春秋 4/16

記者「大臣のご所見を」。大臣「存在しない、と断定し得ない以上、いるかもしれない」。UFO(未確認飛行物体)のことだ。映画の一場面ではない。その存在が閣僚間でも話題になった際の記者会見(2007年12月)でのやりとり。

当時の石破茂防衛相は話を自衛隊出動に広げて「地球の皆さま仲良くしよう、とか言ってきても防衛出動になるのか」「ゴジラやモスラに暴れられたら災害派遣だが」「隕石(いんせき)のように意思なく降ってくるわけでもなく…」

架空の防衛問題を映画の世界と絡めて真面目に話した石破さんの面白すぎる会見録を、最近ふっと思い出した。「小惑星急接近 人類どうする」の見出しが付いた共同通信配信記事を見たときだ。

本紙に載ったその記事は、地球に衝突する恐れがある小惑星が見つかった、との想定で、対策会議を5月に東京で開くと伝えていた。米航空宇宙局(NASA)や日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が参加し、机上演習を行う。

太古の昔には恐竜絶滅の原因とされる巨大隕石落下もあった。4年前のロシア南部での隕石爆発で現実的危機感が募り、国連総会で防御構想が承認された。未知の小惑星発見と衝突回避策を探る専門組織が既に動きだしている。

東京での会議をSF映画風にいえば地球防衛会議。石破さんもオブザーバー参加してもらいたい。古い映画の題を借りていうと、きっと会議が踊る。

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未確認飛行物体(UFO)について官房長官が「個人的には絶対いると思っている」、防衛大臣が「UFOはいるかもしれない」と発言したことをめぐり、インターネット上では「対処するのは当たり前」「いい加減にしろ」などの賛否両論の声が上がっている。もっとも、海外では「日本はUFO戦略に欠けている」「エイリアンが襲来したときに何をなすべきか計画がない」という指摘もある。

麻生太郎氏も地球外生命が存在すると思っている


「UFO論議」の発端は、民主党の山根隆治参院議員が「UFOについての認識」を質問主意書でただしていたことについて、政府は2007年12月18日の閣議で「UFOの存在を確認していない」との答弁書を決定したことに始まる。町村信孝官房長官が同日に「個人的には、こういうものは絶対にいると思っている」と「ナスカの地上絵」の例を挙げて説明。どこまでマジメだったのかは不明だが、今度は石破茂防衛相が07年12月20日の閣議後の記者会見で、個人的な見解として「UFOはいるかもしれない」と大マジメに語り、UFOが襲来した場合、自衛隊が出動する法制面の対処の仕方を考察するとの立場を示したのだ。

「存在しないと断定し得ない以上それ(UFO)はいるかもしれない。少なくとも『いない』と断定するだけの根拠を私は持っていない」
「よくゴジラの映画があるじゃないですか。ゴジラでもモスラでもなんでもいいんだが、あの時に自衛隊が出ますよね。ゴジラがやって来たということになれば、これは普通は災害派遣なんでしょうね。そりゃそうだって」
「ゴジラでもモスラでも大体同様であろうかなと思いますが、これがその、UFO襲来となるとですよ、これは『災害派遣』なのかね、ということになるんでしょうね」
ちなみに、石原都知事は2007年12月21日の会見で「(地球には)UFOは飛んでこない」との見方を示している。

実はこの「UFO論議」、質問主意書を提出した山根議員のメールマガジンによれば、05年3月の時点で政府・総務委員会でも議論されていたらしいのだ。山根議員は同委員会で、行政改革、地方分権、情報通信政策について質問したようだが、質問が終わってから何人かの議員仲間に党派を超えてUFOについて声をかけられたという。

「UFOとの遭遇の機会を未だ私は得ていないが、麻生総務大臣は答弁の中で、『私の母はUFOを見たと興奮していたことがあった』と語った。そして銀河系全体では2,000億個もの星があり、更に宇宙全体では2,000億個もの星からなる銀河が1,000億個以上もある(名古屋大学の福井教授)というのだから、人類以上に高度な文明を持った生命体が無い、という方が不自然に私は思うが…と大臣に振ったら、自身の天文学上の知識を披瀝しながら『私もそう思っている』と答えた」
となると、どうやら麻生太郎議員も「地球外生命が存在する」と思っていたようなのだ。メルマガによれば、UFOについては「10~15分位」話し合われたという。

「エイリアンの『死のビーム』で焼き尽くされても傍観」?

政府主要人物の「UFO論議」は海外でも報じられている。ブルームバーグ、ロイター通信、AP通信、AFP通信などのほかに、2007年12月18日のBBCニュースは、「日本政府はエイリアンが襲来した時に何をすべきか未だ計画がないことが明らかになった」などと報じている。
米防衛専門誌の元編集長でジャーナリストのシャロン・ウェインバーガー氏は12月19日、ブログで日本政府が「UFOの存在を確認していない」との見解を示したことについて、「日本ではUFO戦略が欠如している」と指摘。

「日本は人々がエイリアンの『死のビーム』で焼き尽くされても傍観しているのだろうか?(中略)(政府の答弁書は)ふざけているのか?日本は世界的なテロとの戦いについても何をすべきかわかってないが、エイリアン防衛についてもぼんやりしている」
どうやら彼女によれば、「UFOはいるかもしれない」などということ事体、防衛上緊張感のないことなのかもしれない・・・

日本のブロガーはどうかと言うと、

「国防という概念から言えば、外から領土内進入してきた物体に対して、どのように対応するか考えるのは当然」
「話をそらすためか?年金問題、自衛隊の問題、薬害問題、話さなきゃならないことは山ほどある。なのにこんなふざけた話にはいたくご熱心だ」
「こんなこと閣議で話してるとは、・・・異次元の閣僚達だ、さすが、未確認内閣だね」
と賛否両論あるが、「いい加減にしろ」といった冷ややかな見方が多いようだ。

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