私は不思議でたまらない

小社会  4/6

 〈私は不思議でたまらない、/黒い雲からふる雨が、/銀にひかっていることが。(略)私は不思議でたまらない、/誰にきいても笑ってて、/あたりまえだ、ということが。〉。童謡詩人の金子みすゞの「不思議」の一節だ。

 みすゞの作品を発掘し、世に出した童謡詩人の矢崎節夫さんが書いている。「子どもは不思議がりの天才です。『なぜ?』『どうして?』と不思議がり、考えることで、心がゆたかになるのです」(「さみしい王女」)。質問攻めに遭う親はつらいけれど。

 新聞記者が取材を始める際にも、「なぜ」「どうして」が動機になることが少なくない。目に見えるものはむろん、まだはっきりとは見えていないものでも、気掛かりな動きなどがあれば、読者や県民に知らせる。大切な役割だろう。

 権力者が情報を隠したり、意に沿わない報道に圧力を加えたりするような時代にあっては、なおのことだ。疑問を感じず、あらがうこともないままに流されていけば、後戻りのできない地点に立たされかねない。
 
 きょう6日は「新聞をヨム日」。春の新聞週間も始まった。新聞の役割を再認識してもらうとともに、読者とのつながりをより深めようという狙いだ。私たちにとっては報道が果たすべき使命と責任を自省し、自戒する機会でもある。

 「当たり前だ」と思った瞬間に、思考は停止しかねない。読者とともに「なぜ」を持ち続けたい

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 不思議

わたしは不思議でたまらない
黒い雲から降る雨が
銀に光っていることが

わたしは不思議でたまらない
青いクワの葉食べている
蚕が白くなることが

わたしは不思議でたまらない
たれもいじらぬ夕顔が
一人でパラリと開くのが

わたしは不思議でたまらない
たれに聞いても笑ってて
あたりまえだということが
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