エヴァ柄

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「ネクタイが特徴的ですね」との質問を受け今村雅弘復興相は「エヴァンゲリオンの柄です」と答えた。かの人気アニメの制作会社が福島に新設した拠点を訪ねた際に頂いたと説明。被災地の企業の「動く広告塔です」と締めくくった

 以上は気分も良かったであろう2月28日の会見。やはり「エヴァ柄」のネクタイで臨んだ一昨日の会見は一変した。原発事故の自主避難者に対する国の責任を問われるうちに激高。なおも質問する記者に「うるさい」と捨てぜりふを残して会場を去った。

 復興相は自己責任論を振りかざした。自主避難者への住宅支援は帰還を促すため3月末で打ち切っている。「難しい問題を抱えながら帰ってもらえる人」を持ち上げ、帰りたくても帰れない自主避難者は「本人の責任、判断」と言い切る。被災者を分断するかのような姿勢が見えた。

 〈お前の苦しみは全部お前のせいだし、お前より大変な人はもっといる〉。作家雨宮処凛さんは先日出版した「自己責任社会の歩き方」で、自己責任を通訳すれば、そんな意味だと書いた。直訳するなら「うるさい、ガタガタ言うな、黙れ」である、と。

 安倍晋三首相は3月の東日本大震災追悼式の式辞で「原発事故」の文言を使わなかった。「復興の着実な進展」に力点を置いたように見えた。成果を誇示し前に進めと号令をかける政治は、思い悩んでうずくまる人々を置き去りにする。エヴァ柄を自慢するばかりでは苦悩に寄り添えない。

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