うんとこしょ

三省堂 3年

うんとこしょ  谷川俊太郎


うんとこしょ どっこいしょ
ぞうがありんこ
もちあげる

うんとこしょ どっこいしょ
みずがあめんぼ
もちあげる

うんとこしょ どっこいしょ
くうきがふうせん
もちあげる

うんとこしょ どっこいしょ
うたが こころを
もちあげる

谷川俊太郎著 集英社文庫『わらべうた』より
「詩を読むから、みんなも黒板に書くことばをノートに写してね」こう声をかけ、黒板に「うん」と書きました。

早速子どもたちがつぶやきだします。
「うん、だって」、「うんこじゃないよね」
もうこれでつかみはOKです。ぼくは、子どもたちがノートに書き始めたのを確かめてから、題名・作者名を一気に書きます。

         うんとこしょ    
            谷川俊太郎

1連の1行目です。
「うんとこしょとくれば、次は何だ?」
「どっこいしょ、でしょ」、「大きなかぶだ」

       うんとこしょ どっこいしょ
      ぞうが (      )
      もちあげる

子どもたちは、(    )の中を自由に考えます。
このフレーズを何回か読みます。「うんとこしょ どっこいしょ」の声に力が入ります。力が入れば入るほど、子どもたちは(   )の中のものを、巨大なものをイメージしていきます。
「こぞうを」「ひこうき」「ふじさん」…。

「いいねえ。みんなが自分のイメージを持つところが。でも谷川さんは、みんなとはまったく逆にイメージしたんだよ。でっかいぞうが、ちっちゃいものを一生けんめいにもちあげるって、ね」

「へー」「そうなんだ」
ぞうが持ち上げたものは、(ありんこ)でした。
入れて読むと、おかしくて、笑いが出ます。

2連です。
「どんなことばから始まるかな」
詩における構造を意識させます。

          うんとこしょ どっこいしょ
        みずが (    )
        もちあげる

2連を読むと、この詩のつくり(構造)がわかります。「くりかえし」表現に気づくことで作者のイメージに近づいていきます。

            うんとこしょ  どっこいしょ 
          □□(□)が  (     )
          もちあげる

「みずが もちあげるものと言えば…」
子どもたちは、多くのものを自由に出し合いました。自由なイメージを楽しむ時間です。

ここは、谷川さんは(あめんぼ)と書いています。
「ふーん」「そうか」

「どっちも“あ”だね」「4文字だよ」「いきものだ」
気づきも出します。この気づきが当たっているかどうか、わかりませんが、これらをヒントに3連をよみます。

           うんとこしょ  どっこいしょ
           くうきが  (     )
           もちあげる

子どもたちのイメージのなかから(ふうせん)も出てきました。4文字ということは確かめられます。

「このふうせん、何色?」と訊いてみました。
ほとんどの子が「赤いふうせん」と言いました。青い空と赤いふうせんというコントラストのイメージです。

最終連、4連です。
  
            うんとこしょ  どっこいしょ
            うたが  (      )
            もちあげる

「みんな、ノートに自由にイメージして書いてごらん」

書いたものを皆に紹介します。どれもその子のイメージとして認めます。
谷川さんは「こころを もちあげる」と書きます。子どもたちも納得です。

最後は暗唱です。くりかえしの構造をつかみ、イメージもつくっているので、簡単にできます。
少しずつ消していき、3回目には黒板にはもう文字はありません。暗唱もばっちりです。

おまけ、いや発展としてあそぶこともできます。岩辺さんが提唱したまねっこ詩です。次の形がわかっているからこそです。谷川さんも「定型があるからこそあそべる」という指摘もしています。

     うんとこしょ  どっこいしょ
     □□(□)が  (     )
     もちあげる
関連記事