いるか

学校図書 1年

谷川俊太郎
〈いるか〉

いるか いるか
いないか いるか
いない いない いるか
いつなら いるか
よるなら いるか
また きてみるか

いるか いないか
いないか いるか
いるいる いるか
いっぱい いるか
ねている いるか
ゆめみて いるか


            いるか



  この詩には、「いるか」「いる」「いない」の言葉が多く使われていま
す。「いるか」は、「イルカ」(動物)と「居るか?」(その場所に存在し
ているか?)の二つの意味を掛けた言葉です。
  「イルカ」のアクセントは「イ」が低く、「ルカ」が高くなります。
「居るか」は、疑問や問いかけの意味にすると通常はイントネーションが上
昇調になり、断定や落胆や詠嘆の意味になると下降調になります。
  第一行「いるかいるか」は、「イルカ、イルカ」という魚への呼びかけ
音調の繰り返しで読むことができますし、「イルカ、居るか?」の呼びかけ
と問いかけで読むことができますし、「居るか? 居るか?」と問いかけの
繰り返しで読むこともできます。「イルカ」「居るか?」のどちらを選択し
て読むかによって、詩世界が違ってきますし、種々の音声表現(イントネー
ション、上げ下げ)を楽しむことができます。
  この詩は、三音と四音とが単純に繰り返すリズムです。読む人に安心感
を与え、心地よく口の中で繰り返して転がし遊びとして楽しんで読むことが
できます。ここにこの詩を音読するおもしろさ、楽しさがあります。
  イルカは水中にもぐって姿が見えなくなり、時に顔(頭、体)を出して
泳ぎます。「イルカ」の呼びかけは、親しい音調、驚いた音調、かわいらし
い音調など、いろいろできます。すぐそばからの呼びかけ声、遠くからの呼
びかけ声もありましょう。「居るか?」の呼びかけも、ゆっくりと、早口
で、幼児の声で、やさしい声で、大きな声で、遠くから、近くからなど、い
ろいろできます。


          

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