紙風船

「紙風船」黒田三郎


落ちてきたら

今度は

もっと高く

何度でも

打ち上げよう


美しい

願いごとのように


…………………………

【 逆になった比喩表現 】

※鹿児島出身の詩人、
黒田三郎の詩です。

 あるバンドが、
 歌に仕上げています。

 1970年前後の頃、
 誰も知らない者はいないほどの、
 大人気の曲でした。

 詩人の作品に
 曲をつける。

 当時はこうした風潮があって、
 詩は
 人々の生活の
 近いところで
 息づいていました。

 この詩では、
 〈紙風船〉を、
 〈もっと高く〉
 〈何度でも打ち上げよう〉
 と語りかけてきます。

 バンドが歌うときも、
 軽快なリズムにのってくり返される
 フレーズです。

 紙風船が
 空中を舞い踊る 
 美しいイメージです。

 二連では、
 〈美しい 願いごとのように〉
 紙風船を
 打ち上げようと
 比喩を使って語るわけです。

 ともすれば、
 くじけたりして、
 落ちてしまいそうになるのが
 〈願い事〉です。

 理想と
 呼んでもいいでしょう。

 厳しい現実にさらされて、
 しぼんでしまいそうになる心・・・

 紙風船を何度も打ち上げるように、
 私達の願いを
 打ち上げよう
 
 と語るべきを、

 比喩する側と
 比喩される側の
 立場を逆にしたことで、

 より美しく
 よりインパクトのある詩に、仕上げています。

…………………………

紙風船

歌:赤い鳥 作詞:黒田三郎 作曲:後藤 悦治郎

※落ちてきたら
今度はもっと
高く高く
打ちあげようよ
高く高く
打ちあげようよ※

(※くり返し×2)

何度でも打ちあげようよ
美しい願いごとのように

(※くり返し)

高く打ちあげよう
高く高く

(※くり返し×3)

何度でも打ちあげようよ
美しい願いごとのように

(※くり返し×2)

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