青息吐息

くろしお 4/1

 「牛のスネ肉料理」の話を引いて親のスネをかじる以上は有意義に過ごせ、と新大学生向けに書いた小欄に、読者からメールで「親側の立場に偏った視点」との指摘があった。

 私的な意見との断りもある丁寧な文面だった。〈新大学生への警句でしょうか。しかし多くの大学生は、奨学金という借金を卒業時に背負い、社会人の歯車で磨耗しながら生活していきます。多少は、奨学金の話題を入れても良かったのではないでしょうか。〉。

 本紙の年間企画「みやざき考福論」第2部「~変わる価値観~」(3月26日付)を読んで、指摘はしごくもっとも、と理解した。記事は県内の大学を今春卒業したものの400万円を超える返済額にぞっとした、という女性に取材したものだ。

 日本学生支援機構から有利子で毎月8万円の奨学金を受給、授業料や生活費に充ててきた。40歳すぎまで毎月約2万円の返済が続く。結婚や出産をしても支払いは残る。「結婚するなら、奨学金を借りていない人がいい」。友人の言葉が胸に突き刺さったという。

 奨学金を受給している学生は全体の半数を超えるという。20年前まで2割台で推移していたが近年大幅に増加している。受給学生が増えたことの背景には国立大でも年間53万円超という授業料の高騰と不況によって悪化した家計がある。

 国立大なら授業料が3万円台だったころの感覚では想像できない実態だ。メールの差出人は「奨学金を青息吐息で返済する社会人」。今後は返還支援や給付型の充実を訴え、親も学ぶ本人も応援して、スネかじりなどとは二度と書くまい。
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