ほぼほぼ

談話室 3/31

「この間頼んでおいた書類まだ?」。職場の若い後輩に聞いたら「ほぼほぼできています」。こんな答えが返ってきた経験をお持ちの方も意外に多いのではないだろうか。最近は国語辞典にも載る「ほぼほぼ」である。

でも「ほとんど終わりです」なのか「仕上がりまでもう少し時間がかかります」なのか、ニュアンスをくみ取るのは案外難しい。話し手によって意味合いが微妙に異なるからだ。日本語学が専門の今野真二清泉女子大教授が、研究室の20代大学院生2人に尋ねたことがある。

リポートを「ほぼほぼ完成」と表現する際の出来具合は? 「ほぼ」が到達率90%として「ほぼほぼ」は、片や完成により近い「95%」。ところがもう一方は「ほぼ」を下回る「85%」の意味で使っていると答えた。新しい言い回しだけにニュアンスの共有はまだのようだ。

つい最近もこの言葉を聞いた。大相撲春場所で奇跡の逆転優勝を果たした横綱稀勢の里関が、一夜明けた27日に臨んだ記者会見。13日目に負傷した左肩付近の痛みについて聞かれた横綱は「ほぼほぼないです」。ここはもちろん、痛みは100%近く消えていると信じたい。

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 辞書出版の三省堂は12月5日、「今年の新語 2016」を発表した。大賞は「ほぼほぼ」、2位は「エモい」、3位は「ゲスい」――という結果だ。IT関連では「VR」や「エゴサ」「IoT」も入った。

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「ほぼほぼ」の意味
 今年の新語は、その年を代表する言葉で、今後の辞書に掲載されてもおかしくないものを三省堂の辞書編集者が選ぶもので、今年で2回目。一般から候補語を募り、応募総数2834語(異なり1192語)からベスト10を選んだ。

 大賞は「ほぼ」を重ねて強調した「ほぼほぼ」。1949年の「国会会議録」にもあるなど古くから使われていたが、今年に入って「ほぼほぼ」という名のテレビ番組ができたり、書籍名に使われるなど「長い時間をかけて、日常会話のことばとして定着した」としている。

 「『ほぼ』を2回繰り返す形が嫌だ」という意見について編集部は、「古代から『いと』を強調して『いといと』と言うなど、日本語には繰り返しことばが多い」と、ほぼほぼの語形を“弁護”している。

 2位の「エモい」は、エモーショナル、つまり感情が高まった状態になっていることを表す形容詞。3位の「ゲスい」は「下品」「やり方があくどい」などの意味。

 IT関連では、Virtual Realityの略語である「VR」が7位に、エゴサーチの略語の「エゴサ」が9位に、Internet of Thingsの略語「IoT」が選外に入っている。

 昨年の大賞は「じわる」、2位は「マイナンバー」、3位は「LGBT」だった。
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