国鉄民営化30年

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「思えば遠くへ来たもんだ」

歌:海援隊 作詞:武田鉄矢 作曲:山木康世

踏切の側に咲く コスモスの花ゆらして
貨物列車が走り過ぎる そして夕陽に消えてゆく

十四の頃の僕はいつも 冷たいレールに耳をあて
レールの響き聞きながら 遥かな旅路を夢見てた

思えば遠くへ来たもんだ 故郷離れて六年目
思えば遠くへ来たもんだ この先どこまでゆくのやら

筑後の流れに小魚釣りする人の影
川面にひとつ浮かんでた 風が吹くたび揺れていた

二十歳になったばかりの僕は 別れた女を責めながら
いっそ死のうと泣いていた 恋は一度と信じてた

思えば遠くへ来たもんだ 今では女房子供持ち
思えば遠くへ来たもんだ あの頃恋しく思い出す

眠れぬ夜に酒を飲み 夜汽車の汽笛を聞くたびに
僕の耳に遠く近く レールの響きが過ぎてゆく

思えば遠くへ来たもんだ 振り向くたびに故郷は
思えば遠くへ来たもんだ 遠くなる様な気がします
思えば遠くへ来たもんだ ここまで一人で来たけれど
思えば遠くへ来たもんだ この先どこまでゆくのやら

…………………………

凡語 3/31

 ツクシが顔を出すと、実家裏の線路沿いで摘んだ幼い日を思い出す。♪レールの響き聞きながら遥(はる)かな旅路を夢見てた-口をつくのは海援隊の「思えば遠くへ来たもんだ」。レールの彼方の故郷を思う歌だ。

全国をつなぐ鉄路が分割民営化された国鉄最後の日からきょうで30年になる。「親方日の丸」の万年赤字からJR東・西日本、東海、九州が上場企業となり、今や函館から鹿児島まで新幹線が延び、京都駅など巨大複合ビルがにぎわう。

だが、強い光がつくる影は濃い。民営化後に赤字ローカル線約1100キロが廃止され、地元の足を守ろうと引き継いだ第三セクターも苦境が続く。

30年を前にJR北海道は、約半分の10路線を単独で維持困難と訴えた。本州の大動脈と切り離され、当初から採算が疑問視されていたが、止まらぬ人口流出と営業赤字にSOSを発した形だ。

人減らしで北海道、四国両社の無人駅は8割前後に上り、乗降介助や転落の注意もままならない。利益重視の圧力が、信楽や尼崎での大惨事に至ったことを忘れるわけにはいかない。

故郷と結ぶ鉄路を支える仕組みを断ち、重荷を地方に押し付けた上、巨額の公費を投じる整備新幹線、リニア計画が進む。北陸新幹線の全線開業は約30年後という。鉄路をつなぐ意味を改めて考えたい。

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