春分の日

三山春秋 3/20

 国民の祝日に関する法律で、きょうの春分の日の意味は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」と記される。彼岸の中日にあたり、春の芽吹きを感じながら墓参りに出かける人も多いはずだ 。

 昨今は観光気分で有名人の墓を訪ね歩く「墓マイラー」がブームという。一方で先祖の墓参りへ行けない人のための「墓参り代行」の仕事も増え、ネットの専門サイトを見ると、県内20業者の登録がある 。

 代行業は全国的に線香製造、墓石、清掃、警備の各企業や便利屋を含め、さまざまな業界から参入している。前橋市内では、ある行政書士事務所が3年前にこの仕事を始めた 。

 行政書士がなぜ? 「墓参りの仕事もいただくが、それ以上に墓じまいをする事務手続きの依頼が増えている。生活が大変になり、お布施や維持管理の負担を切り詰めたいようだ」。行政書士のスキルが、意外な分野で生かされる時代になった 。

 将来への漠然とした不安がよぎる。2年前の本紙アンケートで、墓について「子孫に代々継承、管理してほしい」は42%だった。この数字は多いのか少ないのか、どう理解したらいいのだろう 。

 早春の一日、墓前で家族のことを報告したり、思い出をかみしめたり、ふと気持ちが浄化される。変わりゆく時代、どんなかたちであれ、心で語り合う時間のありがたさは忘れないでいたいと思う。
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