点字ブロックの母国

中日春秋 3/17

ウォークマンにクオーツ式腕時計、カッターナイフにインスタントラーメン、液晶電卓にカメラ付き携帯電話…と、日本が世界に送り出したとされる発明品は数々あるが、中には「これが日本生まれ!?」と驚かされるものもある。目の不自由な人たちのための「点字ブロック」だ。

世界で初めて、点字ブロックが敷設されたのは、岡山県立盲学校近くの歩道。一九六七年三月十八日に生徒が渡り初めをしたというから、明日がちょうど半世紀の節目だ。

岡山で旅館などを営んでいた三宅精一さん(一九二六~八二年)が、道路を渡っていて車にはねられそうになった視覚障害者の姿を見て思い立ち、試行錯誤を重ねて作りだした。

最初は行政に相手にされず、私財を削って百枚単位で寄贈する形で普及させていった。それが国内だけでなく、世界中で使われるようになったのだから、世界に誇るべき日本発の発明品だろう。

だが、目の不自由な人たちの足元は今も危うい。駅のホームからの転落などによる悲劇が繰り返されているが、日本盲人会連合などの調査によると、視覚障害者の三割がホームから転落した経験があるという。ホーム上で困ることとしてはほとんどの人が「点字ブロックの上に荷物を置く」「スマホを操作している人とぶつかる」と答えたそうだ。

あらためて足元を見直したい、「点字ブロックの母国」である。

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