「失言」と「暴言」

「失言」と「暴言」

 「いうのはまずいなと思っていながら、こころにあるものだから、うっかりもらしてしまうのが、あるいはもらしてからすぐ気がつくのが失言。それに対して、ぜんぜん悪いと思っていないでいうのが暴言です」と作家のなだいなださんが書いている。(「人間、とりあえず主義」103)

 失言は、気が付いたり指摘されたりしたら、即座に撤回するのがよい。さもないと、舌禍になる。暴言は意図的で確信的だから批判にも抗弁するだろう。

 失言の撤回だけでは済まないとき、理由を述べる。そこには不適切な表現といったことばが使われる。さらに、謝罪も必要になる。政治家はなかなか謝罪しない。陳謝とか遺憾の意の表明とかいう、非を率直に認めているとは思えない表現を好む。

 潔い行為。なかなか難しい。
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