ウソの代償

金口木舌 3/16

「うそは泥棒の始まり」。子どもの頃、誰もが叱られた時、この言葉を耳にしたことだろう。うそがいかに罪深いかの戒めである。

「フェイク(偽)ニュース」の拡散が米国などで社会問題化している。米大統領選でも偽情報が使われた。昨年12月には「小児性愛者組織の拠点」という偽記事を信じた男がワシントンのピザ店で発砲した。

パキスタンの国防相がフェイクニュースに反応し、イスラエルへの核攻撃を警告した騒ぎもあった。1962年、読谷村の米軍核ミサイル発射基地で誤った発射命令が出され、直前で発射を回避しことを思い出す。

米大統領選でトランプ氏は対テロ攻撃での核兵器使用を示唆していた。偽情報や事実誤認が独り歩きすると人類に壊滅的打撃を与えかねない。その罪深さは「泥棒」の比ではない。

情報を批判的に解読し、偽情報を見抜く力「メディアリテラシー」が問われている。新聞は情報への信頼度は高いが、読まれていない-。沖大メディア研究会が先月、県内7大学の学生を対象に実施した調査の結果だ。

研究会の佐々木琢朗さん(4年)は「社会が(ニュースの)正確性よりも『面白いかどうか』を重視しているため」とみる。偽情報を意味する「ガセネタ」の「ガセ」は「人騒がせ」から来たという説がある。社会にとって、面白さを優先し、騒がせるうその代償は危険で大きい。
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