仮設6年

あぶくま抄 3/13

 「にこにこ」と「にやにや」では随分と意味合いが違う。仮設住宅で番組を見た被災者の方々はどう感じたろう。11日放送のNHKスペシャルに登場した内閣府の被災者行政担当参事官の表情が気になった。

 番組タイトルは「仮設6年は問いかける~巨大災害に備えるために」。東日本大震災から6年を経て、被災地ではなお3万5千人が、入居2年以内を想定した約30平方メートルという狭い仮設住宅での暮らしを強いられている。「長過ぎる」「多過ぎる」。番組は70年前に作られた災害救助法では巨大災害に対応できないと訴えた。

 首都直下地震などに備え、応急対策と復興を一体的に進められるよう制度を変えるべきではないかという問いに参事官が答えた。想定期間を延ばせば被災者の自立意欲を阻害する可能性がある。見直しがあるとすれば今の仮設住宅の供給が終了して検証した後。

 現場の深刻さは増している。仮設の住民も、聞き手のアナウンサーも表情は硬い。ほぼゼロ回答する参事官の笑顔が浮いていた。放送の自分を見てどう感じたろう。現実が見えないのか。想像力が足りないのか。「長靴」で辞任した政務官も内閣府の方であった。
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