回文

世迷い言―よまいごと―

歌:中島みゆき 作詞:阿久悠 作曲:中島みゆき

窓打つ木枯しみぞれがまじる
カタリとデジタル時計が変わる
もしやあんたが帰って来たのかと
ベッドをおりたら出るくしゃみ

変なくせだよ男にふられたその後(あと)は
なぜだかきまって風邪をひく
真夜中 世の中 世迷い言
上から読んでも下から読んでも
ヨノナカバカナノヨ

蜜柑をむく指黄色く染まる
忘れたマニキュアはがれて落ちる
とてもあんたにゃついて行けないわと
無理して笑えば出るくしゃみ

いやなくせだよせいせいしている筈なのに
背中を寒気が駆けぬける
真夜中 世の中 世迷い言
上から読んでも下から読んでも
ヨノナカバカナノヨ

変なくせだよ男にふられたその後は
なぜだかきまって風邪をひく
真夜中 世の中 世迷い言
上から読んでも下から読んでも
ヨノナカバカナノヨ

…………………………
回文

 上から読んでも下から読んでも同じ発音になる文のこと。日本語は縦書きだから上から読んだり下から読んだりする。もちろん右から読んだり左から読んだりすることもでき、そこでも回文が成立する。

 新年の初夢にちなんで、めでたい文句を書いた紙を枕の下に敷いて寝ると、いい初夢が見られるという言い伝えがある。その文句は「なかきよのとをのねふりのみなめさめなみのりふねのおとのよきかな」である。これを漢字仮名交じり文に直すと「長き夜の遠の眠りの皆目覚め波乗り船の音の良きかな」となる。

 ウォークマンに入れた音楽を聴いていて最近気がついたのだが、中島みゆきの歌「世迷い言」の一節に回文というか、上から読んでも下から読んでも同じ文句になるものがあった。「世の中バカなのよ」。今のご時世、「世の中バカなのよ」と言いたくなるような状況があちこちに転がっている。

 ところで、「逆さ歌」の天才と言われる中田芳子さんが『日本全国ご当地回文』(太田出版、2008年)という本を出している。逆さ歌もすごいことだと思うが、よくもこれだけのご当地回文が作れたものだと感心する。筆者が住んでいる大阪府箕面市のは、こんなふうに作られている。「お飲みよ、ビールがあるよ。転勤で夜、明るい灯よ。箕面。」

 恐れ入谷の鬼子母神。

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