きっと飛べる

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越山若水 3/5

全ての動物は卵から生まれるべきものだとアリストテレスは考えていた。するとチョウはどうなのか。古代ギリシャの哲学者が頭を悩ませたのは「変態」だった。

チョウはサナギから生まれるから、サナギはチョウの卵である。けれどサナギの前は芋虫だから、これは卵の卵。さらに前は卵なので卵の卵の卵…と混乱する。

という話で知れるように、変態はとても不思議な現象である(日高敏隆「動物の言い分人間の言い分」)。無から有が生じるごとく羽が生え、芋虫が飛ぶのだから。

きょうは二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」。冬眠していた虫が地上にはい出るころというので、昆虫の生態を思った。近家の庭の梅は、見ごろには早い。アゲハチョウもまだサナギだろう。

変態の話を続けたい。チョウの羽は実は、卵からかえったばかりの1齢幼虫のときにもう生えている。目に見えないのは皮膚の内側にあるからで、サナギになると外側に生える。

人間にも羽があるらしい。♫翼を広げたら、きっと飛べたんだ…と甲斐バンドのヒット曲「ポップコーンをほおばって」にある。これはもちろん、歌詞の上での比喩だ。

「翼」が意味しているのは、広い世界へ羽ばたける「可能性」だろう。チョウは脱皮するごとに身中の羽を強くし、ついには空を舞う。同じように人も、と思う。受験という試練の冬は、あと少し。きっと飛べる。



ポップコーンをほおばって

歌:甲斐バンド 作詞:甲斐よしひろ 作曲:甲斐よしひろ

映画を見るならフランス映画さ
若かった頃の君と僕の想い出話しは
君が手を振りきった二十歳の時
埋もれ陽の道に すべては消えうせた

僕等は飛べない鳥じゃなかったはず
翼を広げたら きっと飛べたんだ
僕等は飛べない鳥じゃなかったはず
君は翼がある事を知って恐かったんでしょう

別れる為に君を抱きしめたんじゃない
燃えつきるほど二人 生きちゃいないじゃない
大都会 そんな痛み傷ついた街に
ほんとの君は なぜ死んでしまったの

ポップコーンをほおばって
ポップコーンをほおばって
天使達の声に耳を傾けている

君の最後の言葉をおとしていく
バスを追っかけて 追っかけて
僕の青い声は いつのまにか
こんなにこんなに 涸れてしまった

教会の鐘が聞こえるかい
天使の讃美歌は聞こえるかい
悲しい君と僕のさよならは
色あせた午後に 終ってしまった

ポップコーンをほおばって
ポップコーンをほおばって
天使達の声に耳を傾けている

ポップコーンをほおばって
ポップコーンをほおばって
天使達の声に耳を傾けている

ポップコーンをほおばって
ポップコーンをほおばって
天使達の声に耳を傾けている

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