こんにゃく問答

卓上四季 3/3

大分県に伝わる民話に「薪(たきぎ)買い」がある。通りかかった商人に薪を求めた庄屋の吉四六(きっちょむ)は、薪を出っ張った根元の方から家に入れるよう指示する。

商人が100文の値をつけると、吉四六は「1文に負けろ」と引かない。怒った商人は薪を持ち帰るが、狭い門にぶつかり、そぎ落とされた根元のかけらが残る。吉四六は、ただで燃料ができたと言って喜ぶ―。

まさか吉四六のように相手を出し抜こうと考えたのではなかろう。10億円近い国有地が8億円以上も“値引き”されるとしたら、何かあると考える方が自然だ。学校法人「森友学園」に大阪府豊中市の小学校用地が格安で売却された問題である。

やはりというべきか。学園側が値下げを政治家側に陳情していた。かねてから秘書が接触していたとされる鴻池祥肇元防災担当相は、紙包みを渡されそうになり、「それがカネか、こんにゃくだったか…。知らんが、投げ返した」。

政治献金をしているのだから、力になってくれるはず。学園側はそう期待していたのだろう。鴻池氏とは、とんちんかんな「こんにゃく問答」で終わったようだが、真相はどうだったか。

「安倍首相がんばれ」と子どもに連呼させる学園の教育。学園の小学校が認可基準を満たしていないのに「認可適当」と判断していた私学審議会の適当さ。春がもう間近というのに、うすら寒さとつかみどころのなさばかりが募る。
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