挫折は過程

大弦小弦 3/2

 プロボクシングの元世界チャンピオン、具志堅用高さん(61)に、高校受験で答案用紙に名前を書き忘れて不合格となった逸話がある。

以前聴いたラジオ番組で本人が明かしていた。一緒に受験した友人4人のうち不合格になったのは具志堅少年だけで、「本当にショックだった」と振り返っていた。

傷心の具志堅少年は古里石垣島を離れ、沖縄本島の興南高校に入学する。そこでボクシングと出合い、恩師らに才能を見いだされて、世界タイトルを13回も防衛する天才ボクサーになった。

プロサッカー選手の本田圭佑さん(30)も中学3年の時、屈辱を味わっている。当時所属するガンバ大阪のジュニアユースからユース(高校の年代)に昇格できなかったからだ。

本田少年も悔しさをバネに高校で練習を積み、卒業時にはプロのスカウトが来るレベルまで成長した。その時の経験から、「挫折は過程。最後に成功すれば挫折は過程に変わる。だから成功するまで諦めない」が信条だという。

3月は旅立ちの時。10代の皆さんは進路に悩み、勉強やスポーツで壁にぶつかり、つまずくこともあるだろう。でも大丈夫。先輩の言葉を借りれば「挫折は過程」であり、「答案用紙の上には名前を書く欄があったんだよ」と、天才ボクサーのように若き日の挫折を笑い話にできる日がきっと来る。
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