学校珍百景―「学校あるある」を問い直す

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学校珍百景―「学校あるある」を問い直す


この本では,学校の日常にある,さまざまなことについて,疑問を呈しています。
つまり,学校の日常,先生の日々の姿を批判的に書いているのです。

ですから,ある意味,よくこのようなスタンスの本を出版したなぁという感を拭えません。
なぜなら,このような批判を書けば,当然反発や逆批判が予想されるからです。

しかし,この本に書かれていることは,現場の先生たちは真摯に受け止めるべきだと思います。
なぜなら,それが学校文化を見直し,更新したり改革したりするきっかけとなるからです。

学校には,それぞれの現場で文化とも呼べる特有の慣習があります。
それを伝達,継承していくだけでは,新たな文化を創造することはできません。

新たな文化創造のためには,今ある文化を批判的に捉えて革新していくことが必要となります。
それは,学校文化に限ったことではありません。

科学の分野では,「パラダイムの転換」ということが言われます。
これは,それまでのパラダイムが別次元のものに変わることで,あらたな理論や実践が生まれてくるという考え方です。トーマス・クーンが提唱しました。

まあ,この理論も今では流行を過ぎたという感が否めませんが,新たなパラダイムで文化を作り替えるという点においては,今でも通用するのではないかと思います。

パラダイムを変換しなくても,今の文化を継承しつつ改善していくという創造もあります。

どちらにしても,今の文化を批判的に見なおさなければなりません。
今回の文献は,その格好のきっかけになると思えるのです。

例えば,「日直はいらない」「子どもは朝,テンションが低い」「黙々清掃はおかしい」などいろいろな検討課題を提示してくれます。これらの課題や,課題提示の根拠は,確かに科学的ではありません。教師の経験上のものであり,主観的です。

しかし,この経験則や主観的見解が,これからのアカデミックな研究においても重要になってくるのではないと,以前から考えています。これは,社会的構築主義的な発想で,客観的,絶対的,本質的などを排除する考え方にピッタリだからです。

今一度,学校文化の一つ一つをみなおしてもいいのではないかと思います。なぜなら,一つの制度として学校教育ができてから,すでに70年近く経っているからです。ある意味,制度疲労をおこしているとも言えるからです。となると,学校文化もマンネリ化してきていることが考えられます。

ぜひ,この本を読んで,新たな学校文化,教育文化を創りだすことができればなぁと思っています。



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