成功する子 失敗する子

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「成功する子 失敗する子」です。
本の帯には,「アメリカ最新教育理論」とあります。

アメリカの理論が必ずしも日本の教育にそのまま役立つとは思いません。
それでも,「最新理論」と聞けば,興味がわきます。


成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか


まだ,全部を読めていないので何とも言えません。
今読んでいる段階では,子どもの学力と気質(性格)にはかなり密接な相関関係があるということを,いろいろな実験や例をもとに明らかにしているところです。

そして,将来成功した子どもたちの事例を,学力よりは気質に重きを置いているのが特徴的です。

その気質とは,「やりぬく力」「自制心」「好奇心」などです。
これらは,それまで,気質としても重きを置かれてこなかったことですし,学力論としても重要であることは感じていたけれど,将来成功する条件であるということも証明されていませんでした。

ですから,その意味で,最新の教育理論とも言えます。

ただ,以前から,このブログで,「意欲」が重要であること,また,「勤勉性」や「継続力」が重要であるといろんなところでお話させていただいてきた私にとっては,至極当然のことだと思います。

それでも,そのようなことが子どもたちが将来,成功する要因であるというところまでは,なかなか明らかにできませんでした。それらを明らかにしようとしているという点で,興味深い文献です。

そして,それらの力をどのように学校教育で育むかということについても,論じてあるようです。まだ,そこまで読めていないので,これからですが。

一方,最近,こんなことを考えている私にとっては,それを後押ししてくれるような文献だと思います。
その考えていることというのは,
「分かる,できるより,やってみよう,つづけてみようが大切なのではないか」
「仮に,分かってできるようになっても,やる気が下がってしまうなら,それはよくないのではないか」
「分からなくても,できなくても,やる気を持てるような指導の方が重要なのではないか」
ということです。

最後のは,やや過激ですが,やはり重要なことは,「やる気」「継続」「勤勉」なのです。


この本を読んでいて,今の日本の学校教育は,あまりにも目先のことに執着しているのではないかと思いました。

できるできないが明確な算数を例に考えてみたいと思います。

算数が得意な子どもはいいとして,そうでない子どもについて考えてみます。

算数が苦手な子どもは,できれば算数をしたくないと思っています。
問題も解きたくない,授業も時間がただ過ぎればいい,そんな気持ちで毎日算数の授業に参加しています。

もちろん,算数がすらすら分かって,できれば,そんなことは思いません。
そうでない子どもたちは,特に高学年になれば,これまでの負の感情が,上のような気持ちで算数の授業に取り組ませることになります。

一方,教師は,これらの子どもたちが,何とかできるようになればと努力します。
他の子どもが終わっても,なかなか終わらない苦手な子どもたちに,時間を延長してできるようにしたり,放課後や休み時間など別の時間を使って分かるようにしたりと,がんばるのです。

しかし,何とかできるようになっても,子どもたちは算数をなかなか好きにはなりません。なぜなら,また,次の時間には,分からず得意な子どもより時間がかかってしまうからです。

それの繰り返しを,毎時間,苦手な子どもたちは続けることになります。これでは,苦手な子どもたちを得意や好きにすることは困難です。

このときの,教師の意識は,理解と技能に限定されています。つまり,目先の学習内容を理解させたり,計算できたりするように努力するのです。しかし,その結果,子どもたちの算数嫌いは再生され,問題の解決にはなりません。

やはり,目先の理解や技能から,この文献にあるような「やる気」「勤勉さ」「好奇心」を算数に対して育むような指導をしなければならないのです。

その具体的な方法は,実践からある程度導出しています。そのことと,この文献に書かれていることを照合しながら,あらたな教育理論を模索したいと考えています。





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