薄っぺらいのに自信満々な人

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榎本博明「薄っぺらいのに自信満々な人」

心理学博士の榎本氏の著作です。

この本では,最近の若者が,できないのに「できる」と自信たっぷりに言うことや人について,心理学的な分析をすることから始まります。そして,人を注意できないことについて説明し,さらに,群れる人々について批判的に論じます。

一言で言うと,強すぎる自己肯定感や自己愛への批判と,群れることをコミュニケーション能力が高いと勘違いすることの明示です。

この中で,特に「群れる」ということにいろいろと気づかされることがありました。

例えば,教室でも子どもたちは,群れをつくっていると言えます。それが複数のときもあるし,一つのときもあります。特に一つのときは,その群れに入れない子どもが,仲間はずれやいじめにあっている可能性もあります。

また,職員室でも,いろいろな群れがあるのではないでしょうか。
特に,人を注意し合わないで,馴れ合っているような職員の群れには,警戒が必要です。

このことについて,榎本氏は,「鏡映自己」という心理学の概念を使って説明します。
『自己というのはすべて社会自己であり,それは他者の目に映ったものであるという意味』という概念です。そして,冗談ばかりで,なんでもネタにして笑いあうだけで,相手に遠慮して思っていることを率直に言わないといううわべだけの付き合いでは,「鏡としての他者」が機能しないといいます。

これが機能しないと,他者の目に自己が映し出されることがないのです。そうなると,自己を見失ってしまう。自分がわからないということに陥ってしまうのです。

また,群れたがる人は,異質性を認めたくないといいます。つまり,自分と同質の人とばかりいるのです。そうなると,その人は成長しません。なぜなら,異質性をなんらかの形で自己に取り入れることで,成長していくからです。これは,詳しい説明がなくても,容易に理解できるのではないでしょうか。

自己を磨き,より「できる人」になるためには,群れることをやめ,異質な他者と率直に語り合うことが大切なのだと,改めて感じました。




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