2017年09月09日の記事 (1/1)

デイ・ドリーム・ビリーバー



春秋 9/9

ずっと夢を見て安心してた 僕はデイ・ドリーム・ビリーバー そんで彼女はクイーン。忌野清志郎さんの声が印象に残る「デイ・ドリーム・ビリーバー」。30年近く前の名曲だが、CMなどでよく使われ、耳にすることも多い。

米ロックグループ、モンキーズが1967年に発表した楽曲に、忌野さんが日本語の詩を付けてカバーした。原曲は、夢ばかり見ている若者が、お金はなくても、クイーン(ミス・キャンパス)の彼女との暮らしが幸せだ、と歌う。

今、米国には「ドリーマー(夢見る人)」と呼ばれる人が約80万人もいる。子どもの時に親に連れられて米国に不法入国し、そのまま暮らしている若者たちだ。オバマ前大統領は彼らの強制送還を猶予していた。その措置をトランプ大統領は撤廃するという。

米国で育ち、学び、働く若者たちが家族と引き離され、なじみのない“母国”に追い返される-。オバマ氏は「無慈悲だ」と批判。各地で抗議行動も起きている。

不法移民が米国人の仕事を奪う、とトランプ氏は言う。しかし、チャンスを求めて世界中からやって来る人たちが自由に能力を発揮できることが、米国の強さの源ではないか。

忌野さんの歌詞は〈もう今は 彼女はどこにもいない〉で始まる。彼女(クイーン)は、米国を象徴する自由の女神のようにも。自由の国に描いた若者の夢を「デイドリーム(白日夢)」にしてはなるまい。

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デイ・ドリーム・ビリーバー ~Day Dream Believer~ 歌詞
歌:ザ・タイマーズ
作詞:ジョン・スチュアート・日本語詞:ゼリー
作曲:ジョン・スチュアート

もう今は 彼女はどこにもいない
朝はやく 目覚しがなっても
そういつも 彼女とくらしてきたよ
ケンカしたり 仲直りしたり

ずっと夢を見て 安心してた
僕は Day Dream Believer そんで
彼女はクイーン

でもそれは 遠い遠い思い出
日がくれて テーブルにすわっても
Ah 今は彼女 写真の中で
やさしい目で 僕に微笑む

ずっと夢を見て 幸せだったな
僕は Day Dream Believer そんで
彼女はクイーン

ずっと夢を見て 安心してた
僕は Day Dream Believer そんで
彼女はクイーン

ずっと夢を見て いまもみてる
僕は Day Dream Believer そんで
彼女はクイーン

ずっと夢を見て 安心してた
僕は Day Dream Believer そんで
彼女はクイーン

ずっと夢見させてくれて ありがとう
僕は Day Dream Believer そんで
彼女がクイーン
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感嘆符

中日春秋 9/9

<はるが きたぞ/はるが きたぞ/はるの ほっぺたの/ぴっかぴかに/とびつけ くっつけ/ひっつけと/かんたんふたち/かんたんふたち/いっぱい いっぱい…>

詩人のまど・みちおさんが「かんたんふたち」と呼んだのは、メダカのこと。なるほど、冬の間は水底でじっとしていたメダカが、春の訪れとともに泳ぎ始めるさまは、感嘆符「!」のようでもある。

この発見も「!」だろう。基礎生物学研究所の吉村崇さんらの研究で、メダカの色覚が季節の移り変わりとともに、大きく変わることが分かったという。

春、恋の季節を迎えると、メダカには婚姻色といわれる赤い色が浮かぶ。この色がより鮮やかに見えるように、赤などを感じる色覚の遺伝子が活発に働き始める。恋をすれば、風景も違って見える。そんな変化がメダカの目で起きているというのだ。

季節で色の見え方が変わるという仕組みは、人間にもあるらしい。冬と夏では同じ黄色でも見え方が違うことが、英国の心理学者の研究で分かっている。

猫や犬にはない赤と緑を見分ける色覚を霊長類は持っている。それはヒトの遠い祖先が、森の中で赤い実などを見つけやすくするために獲得したものといわれる。実りの秋をより鮮やかに見るために、<あきが きたぞ/あきが きたぞ>と働きだす遺伝子が私たちの目の底に、潜んでいるかもしれぬ。

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  メダカ   
    まどみちお

はるが きたぞ
はるが きたぞ

はるの ほっぺたの
ぴっかぴかに

とびつけ くっつけ
ひっつけと

かんたんふたち
かんたんふたち

いっぱい いっぱい
いっぱい いっぱい


(「かんたんふ」は「!」のふごう)

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基生研など、メダカの色覚が季節によって変化することを発見

基礎生物学研究所(基生研)などは9月4日、メダカの色覚に季節変化が存在することを明らかにしたと発表した。

同成果は、基生研季節生物学研究部門 新村毅特任助教(現東京農工大学准教授)、中山友哉特別共同利用研究員、四宮愛特任助教、名大トランスフォーマティブ生命分子研究所 吉村崇教授らの研究グループによるもので、9月4日付けの英国科学誌「Nature Communications」に掲載される。

メダカは、春から夏は活発に泳ぎ回ってほぼ毎日配偶行動をするが、冬は川底にとどまって厳しい環境をやり過ごしている。これら季節によるメダカの行動の違いをもたらす仕組みはこれまで明らかになっていなかった。

同研究グループは今回、まず、10時間明期・14時間暗期・8℃という冬の条件下で飼育したメダカと、14時間明期・10時間暗期・26℃という夏の条件下で飼育したメダカの行動の違いを調べ、夏のメダカが水槽全体を活発に動き回ったのに対して、冬のメダカは水槽のそこでじっとしていることを確認した。次に、水槽の側面から光をあてたところ、夏のメダカは光を避ける負の走光性を示したのに対し、冬のメダカは反応ぜず、光に対する感受性が低下していることがわかった。

また、コンピューターグラフィックスで作成したリアルなバーチャルメダカをディスプレイに移し、婚姻色に対するメダカの指向性について検討した。この結果、グレーのバーチャルメダカに対しては、冬のメダカも夏のメダカも誘引反応は少なかったが、婚姻色のバーチャルメダカに対しては、夏のメダカが強く誘引されたのに対して、冬のメダカは誘引されなかった。

さらに、冬の環境で飼育したメダカと冬の環境から夏の条件に移した際のメダカの目における遺伝子発現の変化を解析したところ、視覚をつかさどるオプシンやその下流の情報伝達経路の遺伝子の発現が冬には著しく低下していたのに対し、夏には一斉に上昇することが明らかになった。この結果について、メダカは冬のあいだ食料をほとんど摂取しないため、オプシンを含むさまざまな遺伝子の発現を抑えることでタンパク質生産のコストを削減しているものと同研究グループは考察している。

色覚の季節変化はヒトにおいても報告されていることから、同研究グループは、今回メダカにおいて明らかになった季節による色覚の変化は、幅広い動物種に共通する仕組みである可能性があると説明している。