2017年08月21日の記事 (1/1)




「 道 」

歌:宇多田ヒカル
作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル

黒い波の向こうに朝の気配がする
消えない星が私の胸に輝き出す
悲しい歌もいつか懐かしい歌になる
見えない傷が私の魂彩る

転んでも起き上がる
迷ったら立ち止まる
そして問う あなたなら
こんな時どうする

私の心の中にあなたがいる
いつ如何なる時も
一人で歩いたつもりの道でも
始まりはあなただった
It's a lonely road
But I'm not alone
そんな気分

調子に乗ってた時期もあると思います
人は皆生きてるんじゃなく生かされてる

目に見えるものだけを
信じてはいけないよ
人生の岐路に立つ標識は
在りゃせぬ

どんなことをして誰といても
この身はあなたと共にある
一人で歩まねばならぬ道でも
あなたの声が聞こえる
It's a lonely road
You are every song
これは事実

私の心の中にあなたがいる
いつ如何なる時も
どこへ続くかまだ分からぬ道でも
きっとそこにあなたがいる
It's a lonely road
But I'm not alone
そんな気分

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明窓 8/21

 歌手・宇多田ヒカルさん(34)の本名は「光」と書く。名前の通り、活動歴と名声は輝かしい。天然水のテレビCMで奥大山の清流にたたずむ姿も様になる。ただ、表情や歌詞には憂いや影が見え隠れする。亡き母で人気歌手だった藤圭子さんの記憶と重なるからだろう。

圭子さんは2013年8月22日、マンションの13階から飛び降りた。享年62歳。「薄幸の歌姫」の衝撃的な最期から明日で4年になる。

死の4日後、ヒカルさんは自身のサイトに後悔の念をつづった。精神の病に苦しんでいた圭子さんの言動に翻弄(ほんろう)され、どう支えたらいいか悩んだ。そして、何もできなかったという。

一方で、圭子さんについて「正義感にあふれ、誰よりもかわいらしい」「娘であることは誇り」と敬愛と感謝の言葉も残した。ヒカルさんにとって圭子さんは人生の影であり、光でもあった。

親子の歩みをどう受け止めて生きるか。昨年発表した曲「道」に思いを込めた。「一人で歩いたつもりの道 でも始まりはあなただった」「心の中にあなたがいる いつ如(い)何(か)なる時も」。ストレートな歌詞が聴く者に問い掛ける。「あなたたち親子も、そうでしょ」と。

筆者は五十路(いそじ)を目前にする。年を取ったのか、両親は健在なのに「道」を聴くと涙腺がゆるむ。親子で共にした喜怒哀楽や、受け継いだ長所短所の数々が思い浮かんでしまう。「ありがとう」。口にするのは父の日や母の日にとっておく。それまでは背中を見て学び、知らず知らず導かれた道を懸命に歩む。

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よくできたジョーク

中日春秋 8/21

「この間、南部でレストランに入ったんだ。そしたら白人のウエートレスが飛んできてこう言うんだ。『うちの店じゃ、黒人は食べられないよ』。オレは言い返したよ。『大丈夫、オレは黒人を食べないから』」

米国では有名なジョーク。誘われるのは爆笑というよりもちょっと引きつった笑いか。発表されたのは黒人差別がなお強い一九六〇年代。この作品をはじめ、差別に対する辛口のジョークで一世を風靡(ふうび)した黒人コメディアンで人権活動家のディック・グレゴリーさんが亡くなった。八十四歳。

米国には黒人の進出を許さぬ、さまざまなカラードバリアーがあったが、グレゴリーさんは六一年、白人相手にスタンダップコメディーを初めて見せた黒人だったと聞く。

その芸は笑いに巧みにまぶした差別への敵意と悲しみである。「黒人の宇宙飛行士が実は大勢いると聞いた。何でも最初の太陽着陸のためだってさ」。自伝の題名は黒人の蔑称である「ニガー」。許せない呼び方にもかかわらず、そう付けたのは「もし、どこかで白人が黒人をそう呼べば、本を宣伝することになる。」

差別や差別する者をちゃかし笑う。その笑いが広がれば世の中は変わる。「よくできたジョークには力がある」。しなやかな武器で、差別と闘った人である。

大統領が白人至上主義者に遠慮する時代。「よくできたジョーク」が聞きたい。

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