2017年08月02日の記事 (1/1)

孫育て

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編集日記 8/2
  
 教育評論家の尾木直樹さんは、孫と祖父母の関係について「パパやママに頼まれたときに気持ちよく」と著書で説く。おじいちゃんとおばあちゃんは、あくまで応援団の立場をとるべきというわけだ。

 尾木さんが強調するのは、祖父母が子育てをしていた時と今とでは「常識」が違っている場合があるということだ。昔は「抱き癖がついてはいけない」と言われた抱っこだが、今では心の成長に大切とされるのが、その一例だ。

 郡山市が「こおりやま孫育て応援ブック」を作った。昔と今の育児方法の違いや、祖父母が子育てを手伝うことのメリット、子育てに取り組むパパやママの気持ちなどが分かりやすく書かれている。

 冊子は共働き夫婦に代わり孫の世話をする祖父母たちが増えていることから作成した。子育てについて世代間ギャップに悩む若い母親などから相談が寄せられたことも背景にあるそうだ。

 尾木さんは孫から「不思議な力」をもらうと言い、腰の痛みを忘れて思わず抱っこしてしまうとも書いている。パパママとおじいちゃんおばあちゃんが上手に連携して子育て・孫育てをすれば、子どもたちから何倍ものパワーをもらえるのではないか。夏休みはその絶好の機会だ。

今年もまぶしく

水や空 8/2

 芦辺中3年の安永龍生君は野球部のキャプテン。元気のないプレーでエラーを繰り返すチームメートに鋭い口調で怒りをぶつけてしまった。「お前らさ、何で声出さんとな。しっかりやっちくれん」。次の日から仲間と会話がなくなった。

責めすぎた。でも謝りにくい。誰かに伝言を頼もうか、手紙を書こうか...思案の果てにたどり着いた答えは「顔を合わせて、じっくり話す」。「勝ちたいけん、強く言ったけど、一方的に言い過ぎた。ごめん」。チームに結束が戻った。

悩む、考える、勇気を持って行動を起こす。その姿が今年もまぶしかった。「社会を明るくする運動」の中高生県弁論大会から。

〈白鳥は哀しからずや...〉。翁頭中3年の松村萌花さん。国語で教わった短歌に、転校先になじめず教室で一人ぽつんと本を読んでいた小6の自分が重なり合う。中学に進んでも思うように友達が増えない。

面談で先生がヒントをくれた。「自分から距離をつくってない? 敬語や『さん』付けをやめてみたら...」。思い切って級友を呼んでみた。「○○ちゃん!」。驚いた表情、直後の笑顔。やったあ。

弁論をこう締めくくった。〈白鳥は温もりを知り空の青/海のあをにも染まりてうれし〉。末尾に「♪」の付きそうな本歌取り。若山牧水もきっと笑っている。

あこがれの東京



「とんぼ」

歌:長渕剛
作詞:長渕剛 作曲:長渕剛

コツコツとアスファルトに刻む
足音を踏みしめるたびに
俺は俺で在り続けたい そう願った
裏腹な心たちが見えて やりきれない夜を数え
のがれられない闇の中で 今日も眠ったふりをする
死にたいくらいに憧れた 花の都 大東京
薄っぺらのボストンバッグ 北へ北へ向かった
ざらついたにがい砂を噛むと
ねじふせられた正直さが
今ごろになってやけに骨身にしみる

※ああしあわせのとんぼよ どこへ
お前はどこへ飛んで行く
ああしあわせのとんぼが ほら
舌を出して 笑ってらあ※

明日からまた冬の風が 横っつらを吹き抜けて行く
それでもおめおめと生きぬく 俺を恥らう
裸足のまんまじゃ寒くて 凍りつくような夜を数え
だけど俺はこの街を愛し そしてこの街を憎んだ
死にたいくらいに憧れた 東京のバカヤローが
知らん顔して黙ったまま 突っ立ってる
ケツの座りの悪い都会で 憤りの酒をたらせば
半端な俺の骨身にしみる

(※くりかえし)
(※くりかえし)

…………………………


雷鳴抄 8/2

 長渕剛(ながぶちつよし)さんのヒット曲「とんぼ」に〓(歌詞符号)死にたいくらいに憧れた花の都大東京…という一節がある。地方から東京の大学に進学する若者には、濃淡の差こそあれ似たような思いがあるだろう。

盛岡市で開かれた全国知事会議で、地方からの若者の流出を防ぐため、東京23区の大学の定員増を抑制するよう国に求める決議が採択された。国も規制に向けて動きだしている。都市部の私立大学の定員超過抑制策も行われている。

若者が東京で学びたい、東京暮らしを経験してみたいと思うのは自然の感情ではないか。多くの知事さんもそうだったはずだ。若者流出の危機感は分かるが、学ぶ機会を制限するような規制を受験生はどう感じるだろう。

先日、白鴎大小笠原伸(おがさわらしん)教授のゼミの地域研究の発表を聞いた。「定住自立圏構想は機能していない」「既存の産業にとらわれていては先が見えない」。行政の担当者には、耳の痛い学生の分析は面白かった。

発表後、地元で就職する人を問うたら、手を挙げたのは半数ほどだった。地元に起業家が交流する場を設ける必要性を発表した男子学生は、既に映像ビジネスをしていて、仕事の場は東京だという。

若者が東京圏に出るきっかけは進学と就職である。「地元に残りたい」「地元に戻りたい」と願う学生をつなぎ留める妙薬は、雇用の創出しかない。

夏祭り



「夏まつり」

歌:井上陽水
作詞:井上陽水 作曲:井上陽水

十年はひと昔 暑い夏
おまつりはふた昔 セミの声
思わずよみがえる 夏の日が
ああ今日はおまつり 空もあざやか

自転車のうしろには 妹が
ゆかた着てすましてる かわいいよ
もらったおこづかい なくすなよ
ああ今日はおまつり 早く行こうよ

綿菓子をほおばれば すぐとける
友達もみんな居る 笑い声
道には並ぶ店 オモチャ売り
ああ今日はおまつり 何を買おうか

十年はひと昔 暑い夏
ふるさとはふた昔 夏まつり

…………………………

河北春秋 8/2

♪十年はひと昔暑い夏 おまつりはふた昔セミの声…。井上陽水さん自作の『夏まつり』である。歌詞にちりばめられる浴衣、綿菓子、笑い声。日本人なら、それらの言葉を聞くだけで「ああ、そうだったな」と遠い夏を追憶するだろう。

仙台市内を走る観光バスが日を追うごとに増えてきた。先週末は「相馬野馬追ツアー」の一行を見た。週が明けたら、「東北夏祭りツアー」のバスがホテル前に停車していた。旅の乗客はきっと、行く先々でそれぞれの夏祭りの記憶を重ね合わせて見るに違いない。

きのう盛岡さんさ踊りが始まり、きょう東北三大祭りのトップを切って青森ねぶた祭が開幕する。秋田竿燈まつり(3~6日)、仙台七夕まつり(6~8日)も間近である。期間中、何とか好天に恵まれるといい。

一方で、大きな祭りをここ数年複雑な気持ちで見ていた人たちもいよう。東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県山元町笠野地区の八重垣神社は先頃、ようやく新社殿が完成し夏の例祭を行った。祭りばやしが復活してこそ、余裕が生まれて大きな祭りも楽しんで見られる。

歌『夏まつり』は締めの歌詞が♪ふるさとはふた昔夏まつり。「随分帰ってないなあ」との心境で終わる。「いつかまた古里に帰りたい」と思う人も多いかもしれない。