2017年05月11日の記事 (1/1)

ろうそく

2017051115371640d.jpeg


内容説明
実験化学と電磁気学の分野で輝かしい業績をのこしたマイケル・ファラデーが、子どもたちのために行なったクリスマス連続講演の記録。たった1本のろうそくを題材に、その材料としくみ、炎の構造と明るさ、燃焼の原理など、自然界の目に見える現象、見えない現象のかずかずをわかりやすく説く。

目次
一本のろうそく

そのもと
構造
動き
明るさ
ろうそくの焔の明るさ
燃焼に必要な空気
水ができること
できたもの、燃焼からできる水〔ほか〕

著者紹介
白井俊明[シライトシアキ]
1900年に生まれる。東北大学理学部化学教室を卒業。理化学研究所、地震研究所、東京大学教授、東京理科大学教授を歴任。理学博士

…………………………

斜面 5/11

1本のろうそくの身の上話をします―。1860年、英国の科学者マイケル・ファラデーは少年少女への講演をこう切り出した。熱で起きた規則正しい上昇気流がろうそくの外側を冷やし、芯(しん)の毛細管現象で絶えず燃料が供給される。

 燃え続けることができる仕組みを分かりやすく説いている。〈宇宙のいたるところを支配する法則で、このろうそくにあらわれる現象に作用しない、また関係しないものは一つもないのです〉。講演録をまとめた白井俊明訳「ろうそく物語」から引いた。

 ろうそくは古来、照明や宗教儀式に使われてきた。近年は集会など政治運動の象徴に用いるようになった。韓国ではソウル中心部に数十万人の市民がろうそくを手に集まり、朴槿恵大統領の退陣を求めた。昨秋から続いたこの民衆運動を新聞各紙は「ろうそく革命」と伝えている。

 大統領の親友による国政介入が発端だ。格差や雇用不安も絡んで若者を中心に社会の変革を求める運動に広がった。大統領罷免に伴う選挙で革新系の最大野党「共に民主党」の文在寅氏を当選させている。「ろうそく集会」に積極的に足を運んだ候補だ。

 〈革命より改革はさらに難しい。実を結ぶまでには苦しい過程が待っている〉=ハンギョレ新聞社説。激しい選挙戦を終え冷静な論議を呼び掛ける声も出てきた。ろうそくの火は芯が吸い上げる量と蒸発して燃える量のバランスが大切という。改革の灯火も長く静かに燃やし続けてほしい。


…………………………
ろうそくの科学

201705111539125fe.jpeg


ロウソクを題材に、燃焼時に起こる様々な物理・化学現象を多面的に解説している。

ロウソク: 炎 - その源 - 構造 - 流動性 - 明るさ
炎の明るさ: 燃焼のための空気の必要性 - 水の生成
生成物: 燃焼からの水 - 水の性質 - 化合物 - 水素
ロウソクの中の水素: 燃えて水へ - 水の他の部分 - 酸素
空気の中の酸素: 大気の性質 - その特徴 - ロウソクからの他の生成物 - 炭酸 - その性質
炭素または炭 - 石炭ガス - 呼吸と燃えるロウソクの類似点 - 結論
原著では、上記6講演に加えて、「白金についての講演」が加えられている。

[ 続きを読む » ]

ひよっこ

20170511152809d28.jpeg

201705111528124f4.jpeg

2017051115281399c.jpeg


南風録 5/11

 畳の上を小さな人形やバスが動き、ファスナーの上を汽車が走る。畳は田園風景に、ファスナーは線路に見える。4月に始まったNHK連続テレビ小説「ひよっこ」のオープニングで、ちょっと変わった映像が流れている。

 制作の中心になったのは鹿児島市の田中達也さんだ。身近な食品や文具などを自然や建造物に見立てて人形と一緒に撮影し、インターネットに毎日写真を発表してきた。

 高度経済成長期を舞台にしたドラマに合わせ、今回は昭和の日用品を使った。そろばんやタイプライター、花柄の炊飯器などを使って再現した風景は、桑田佳祐さんの歌う主題歌と相まってどこか懐かしく優しい。

 コンピューターグラフィックや撮影の効果もあろうが、一瞬のひらめきと意外な着想が決め手になる。田中さんの目には並べたそろばんが団地に、タイプライターのキーボードが競技場の客席に見えたようだ。

 本紙「オセモコ」の子ども記者には「ものを観察する楽しさを知ってほしい」と答えた。子どもの頃の自由な発想を思い出し、大人が本気で考えるから面白い。何かを足したり、逆さから眺めたりすることで見えてくるものがある。

 消しゴムを車に、教科書やノートを建物に見立てて、勉強机に街をつくった記憶のある方もおられよう。田中さんは6月、台湾で初めての個展を開く。小さなアイデアが大きく世界に羽ばたく。

ナンバープレート

20170511151941e79.jpeg


四季風 5/11

2019年ラグビーW杯日本大会の特別仕様ナンバープレートが、軽自動車所有者の間で人気となっている。

日本大会開催の機運を高めようと、国土交通省が4月から交付を始めた。手数料を払えば車のナンバーを変えずに特別仕様に取り換えることができ、千円以上の寄付でラグビーボールと富士山などをあしらった大会ロゴマークが入る。

2月13日(予約開始)から今月8日までに山口県では362件の申し込みがあり、人気の軽自動車が8割強の302件に達した。調べたら、従来の黄色ナンバーが特別仕様だと自家用の登録車と同じ「白色」になるのが理由らしい。

軽自動車の「黄色」は、高速道路の料金や制限速度の違った時代に普通車と見分けがつくよう白色から変更された。ところが、目立つ黄色は「車体の色やデザインと合わない」「ダサい」と映り、若者を中心に不満の声が強かったと聞く。

特別仕様は20年東京五輪・パラリンピックから、地方版へと続く。狙いは一体感醸成、地方振興、観光振興にある。ともあれ、増えるほど”走る広告塔“の効果は大きく、キャンプ地誘致に動く長門市の追い風にでもなれば、軽自動車の株が上がること請け合いである。

20170511151942327.jpeg
20170511151944140.png
201705111519516d5.png
20170511151955ded.png

日韓

20170511091212671.jpeg


『TSUNAMI-ツナミ-』などのユン・ジェギュン監督がメガホンを取り、『傷だらけのふたり』などのファン・ジョンミンを主演に迎えた感動の家族史。朝鮮戦争や軍事政権、ベトナム戦争など動乱の時代を家族のためにささげた一人の男の足跡を活写する。主人公の妻を『ハーモニー 心をつなぐ歌』などのキム・ユンジンが演じ、『パパロッティ』などのオ・ダルスらベテランが脇を固める。時代の波に翻弄(ほんろう)されながらも、たくましく生きる人々の姿に泣き笑いする。


…………………………

中日春秋 5/11

韓国映画「国際市場で逢(あ)いましょう」(二〇一四年、ユン・ジェギュン監督)は本国では国民的映画だが、日本でも人気が高い。

理由は日本人の過去ともどこかで重なるせいかもしれぬ。朝鮮戦争中の一九五〇年。ある家族が戦火を逃れ、北朝鮮東部の興南(フンナム)から韓国へ米船で脱出を図るが、父と妹の二人の行方が分からなくなる。描かれるのはその後の家族である。

無事逃れたものの母と子どもらの貧しい生活。幼い子が米兵にギブミーとチョコレートをせがむ場面がある。離れ離れになった妹の消息を知ろうとテレビで訴える場面がある。悲劇を乗り越え、生き抜く家族の姿。時代は違えども戦後日本も体験した苦い過去であり、涙である。

船の名はメロディス・ビクトリー号。映画と同じその船で、ある夫婦も韓国・巨済(コジェ)島に逃れた。その二年後に男の子が生まれた。韓国新大統領の文在寅(ムンジェイン)氏(64)である。

やはり、貧しい暮らしだったと聞く。トウモロコシのかゆ一杯で一日を過ごしたことや、月謝が払えず、教室から出された日もあったという。苦労人と一言では、片付けたくないが、風雪を知る手が国の舵(かじ)をどう取るのか期待する。

慰安婦問題をめぐる日韓合意の見直しを主張している。関係悪化の懸念もあるが、両国で必ずや通じ合えるところがあると信じるしかあるまい。同じ涙を流すことができるはずの両国である。

20170511091456ba8.jpeg